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話題29 | ■新年のご挨拶 中山逍雀 2007/1/14(日)09:46返事 / 削除

新年のご挨拶
 新年明けましておめでとう御座います。

 葛飾吟社を創設したのは、若い頃でしたのに、もう年金をもらう歳に成って仕舞いました。それほどに、事は進まないのに、人生は短いと云うことでしょうか?

 私は、吟社を開くに当たって、
1−中華詩詞壇に通用すること 
2−個性のあること、
の二つを柱としてきました。

 中華詩詞壇に通用すると云うことは、漢詩詞が漢民族の詩歌で有る以上、我々大和民族が作ったとしても、漢民族に通用しなければならないことは当然の理です。

 漢民族の詩歌は多岐にわたります。私は、中華詩詞壇に登場する殆どの詩歌に対応できるように、内外に資料を集め、作詞の方途を提供するように心がけています。

 個性の有ることとは、そもそも詩詞を作ることが、自己心情表現手段としての方途である以上、個々人に依って異なることは当然の理です。数十年の生き様のうちに培った人生観は人それぞれなのです。人によって、物事の判断に軽重あり、傾向があるのです。

 世上多くの指導者が、「課題吟」を設けていますが、この方法は、指導者の労力は軽減されますが、没個性に陥りやすいという欠点が有ります。

 筆を入れる立場として、未だ個性の顕れて居ない中は、私の価値判断の範囲内で対処できますが、個性が固まりつつある段階においては、もはや私の立ち入る余裕が無くなってきます。無理に筆を入れれば、私の価値観を押しつける結果となるのです。相手に対して没個性を強いる結果となります。

 詩詞愛好者が、李白が好きだ!杜甫が好きだ!などと云って、その作風を真似る者が居ますが、詩法の練習としてなら結構ですが、踏襲して詩作することには、一長一短が有ります。

 平成十六年に生活している諸賢が、李白や杜甫と同じ人生を歩んできたとは思えないのです。古人の生き様を真似ることは、没個性に繋がる恐れがあるのです。

 古人の尻馬に乗るより、下手で結構、ご自分だけの作風を確立できるよう頑張りましょう。

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