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話題48 | ■漢俳窺見 中山逍雀 2007/1/14(日)12:15返事 / 削除

漢俳窺見
 漢俳は既に20年ほど前、日本の漢詩壇にその情報がもたらされた。各所の漢詩壇の定例会の話題には上ったが、研究討論の域を脱せず、作品として定着するには到らなかった。
 その原因は、漢俳に対する論点が、五言絶句或いは七言絶句の亜種、或いは変形と言うことで落ち着き、漢俳が他の定型に対しての「独自性」が発見できなかったからであろう。
 拠って、それ以後、日本の漢詩壇では沙汰止みになっていたが、今年3月23日北京に於いて、漢俳学会が設立された。(2005-3/23)
 この漢俳学会は、相手先に日本の俳壇を指名し、設立祝賀会を挙行した。葛飾吟社は俳句に関わりはないが、中国詩詞壇との交流が参酌されて、設立祝賀会に招待された。それから既に半年が過ぎ、多少の興味にそそられて作品を見ると、外見は決まったものの、未だ漢俳の漢俳たる仕様が定まっていないと見受けられる。その作品を大別すると・・・
1−七言(五言)絶句の亜種或いは変形
2−自由詩或いは詞の一類
3−俳句を意識した作品
の3種類に大別出来る。
 殆どの作品は第1項と第2項に属し、この第1項は、20年前の日本漢詩壇での評価の域を出ていない。第2項は、口語或いは詩語を用いるが、既存作品並びに定型に比べての独自性は乏しい。第3項の、日本の俳句を意識した作品は、前2者に比べて独自性が有り、これからの淘汰を免れる幾点か有る要件の一つを、備えて居ると見受けられるが、作例は極めて少ない。
 以上、近頃の漢俳作品にふれた感想を述べてみた。
 諸賢のご高見を希う。

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