漢詩詞同人誌20年1-3 文化交流漢詩詞結社葛飾吟社
一月号
新年のご挨拶
謹んで新春のお慶びを申し上げます。旧年中のご厚誼に謝し今年も宜しくお願いを申し上げます。
諸賢のご健康とご多幸を祈願し、年頭のご挨拶と致します。
平成20年元旦
中山逍雀 頓首
年頭に当たって
私は月一回の漢詩詞講座を開いて、概ね十年ほどになります。十年の歳月は期間としては長いのですが、講義の回数は概ね100回程でしょう。テキストの項目数は概ね170項目ですから、さほどのんびりはして居なかった様な気がします。
その間、詩法を用いた綴り方を習得するまでは、詩法取得の爲の筆を入れました。その後、習得が進みますと、個性が顕れた作品が見受けられるようになります。個性は個人の生き様の一端ですから、それ以後の作品に筆を入れる事は控えました。
私は人様の生き様の一端に筆を入れるほど偉くはないのです。ですから筆を入れるのは、綴り方を習得する段階までで、作者の個性が顕れたときは、筆を入れるのを辞める時期と定めていました。あとは、詩法の間違いを犯さぬ限り作者の自主性に任せました。
この漢詩詞講座は、昨年末までに中山逍雀漢詩詞講座詩法編を講じ終わりました。これだけの詩法知識を総て習得すれば、国内はもとより国外においても、詩詞の創作に関わる詩法知識の欠如で恥をさらすことは無いと確信しています。
漢詩詞詩法は、テキスト無しで、聴いただけで解るほど簡易ではありませんので、予め漢詩詞詩法のテキストを作成し、InternetSightに掲載し、誰でも閲覧できるようにしました。詩法の内容は豊富なのに、月一回の講義では時間の余裕が有りませんので、予めDownloadしたテキストを配布し、此を補足する解説を致しました。
今までに講じた詩法を理解していれば、個人的な知識としては充分事足りますが、講演をしたり指導者になるためには、その為の知識が必要となります。
人様に講じる当たっては、自分の知識に対する客観的な評価が最も大切です。此を自己判断する手段として、最新版の漢詩詞講座SightをDownloadして、知っている事柄には青い付箋、理解不足は黄色い付箋、知らない知識は赤い付箋を貼り付ける作業をすることです。この付箋を貼り付ける作業は、自己の知識を客観的に自己判断する簡便にして有効確実な方法です。
私も付箋の貼られたテキストを拝見して、理解の判断材料と致しましょう。付箋を貼り付ける作業を為さることで、自分自身で、知っていることと、知らないことの区別が付きます。自分自身の現実を知っていれば、どのような場面に遭遇しても臆すること無く、自信を持って講座を開くことも出来ますし講演を為さることも出来ます。
今年からは指導者として必要な詩法諸般を講じましょう。その為の知識は、さほど多くはありませんので、あと一年未満で講じ終えます。
会員諸氏は既に差し当たって漢詩詞講座を開くには充分な知識を習得しています。一日も早く、この知識を活用為されることを希望します。
平成20年元旦
中山逍雀 頓首
鶯啼序・許久回故郷 千葉県 中山逍雀
初秋故郷古驛，狗眠村静静。新築屋、嫂嫂和孫，歳月長短如磬。江山麗、風廻葉落，時時鳥語依然盛。念故園，野叟素情，田地豊景。
遽念青春，已忘其姓，繞梵宮石磴。遡幽冥、将見君名，香與花墓前浄。一縷烟、吾疑急逝，共弾唱、絃絶心疼。我與君，託情琴書，訴思花影。
麗容繊指，屈強垢面，青春互憧憬。無告我、君去君逝，無奈傷心，只有傷心，惑胡蝶夢。多年煩事，寒厨活計，怱忙幾歳安吾分，未成功、執筆秋風到。半宵燈火，聊違俗送流年，閒作句模雅興。
麗容繊指，野叟繁霜，証歳移人更。我心里、何故居住，何故隠藏，私慕何由，私酌忽醒。我知君面，君不知我，繁霜枕涙還枕涙，恥吾迷、月照孤燈暝。勿嗤老叟郷愁，悶悶一吟，半觴酩酊。
謹賀新年
詩詞
七絶・子歳年頭有感 千葉県 今田莵庵
子歳雖迎鼠影凋，孤人撫鼠十年超。綴文電脳我朋友，忽地回頭漱石猫。
七絶・戊子新正口占 千葉県 田 旭翠
圍炉食餅喜橙黄，幸有團欒自見祥。七秩無功存宿志，三元一笑把杯觴。
七絶・新 年 二首 千葉県 清水蕗山
（一）
目醒旭日已南天,対峙西空月下弦。雪口正衣臨賀膳,静斟椒酒寿新年。
（二）
早春佳節麗初陽,八寸管声有草堂。我謂晴天勝樽俎,仙山遠望五雲長。
七絶・歳旦寄友 山口県 藤井登龍
（一）
五雲靉靆歳朝天，領得仁風翠色鮮。痩骨懷君抓禿筆，春陽淡照白銀箋。
（二）
人心自改寸衷開，領得仁風春又回。白髪問君無恙否，寄書翹首待朋來。
七絶・戊子新年 埼玉県 塚越杉水
萬里斉吹清旦風，千門咸賀歳年豊。何愁天下是多偽，白酒陶然残夢中。
七絶・大 旦 埼玉県 松本杏花
天地太平迎歳時，屠蘇一醉早梅披。雖貧無恙身康健，老壮偕題錦繍詩。
七絶・新春偶成 東京都 田村星舟
早春玉骨試花初，四海波閒雜事疎。舊友共斟椒柏酒，歡娯一夕小樓居。
七律・三元一醉 進退韵 東京都 石倉鮟鱇
泰平曠世正鴻溶，碩鼠偸生無武功。四海五雲人四欲，千門萬戸酒千鍾。
三元依舊傾金盞，一醉游魂問碧翁。鴻志孤飛到何處，我留此岸酒痕濃。
七律・迎春書懷 東京都 石倉鮟鱇
紅日破雲臨紫陌，白頭游目對蒼穹。千門靜穩無塵事，萬戸閑和有酒功。
先飲屠蘇期百歳，暫陪孫子似三公。將軍雄跨老騏化，碩鼠飲河腸肚充。
七律・酬答詩友賀新年 東京都 石倉鮟鱇
八人圍火一人知，風裡一虫眠一枝。不羨寒中老翁在，閑談空論美辞滋。
迎春夢醒身隨意，悦目花開翅應時。千里游魂尋勝景，夏来死舞緑陰詩。
五律・迎春覓句 東京都 石倉鮟鱇
夢醒尋常事，梅開院落枝。歳朝風物改，老骨感懷滋。
依舊傾椒酒，履新求野詩。荊妻看電視，餐後煮茶時。
五律・風裡拝神 東京都 石倉鮟鱇
百川歸苦海，萬衆願休祥。舊慣生除夜，新年競盛装。
蜂擁神社内，雪舞北風廊。等候輪流到，白頭手凍僵。
五律・三元試筆 東京都 石倉鮟鱇
晩境塵心少，新年酒量多。百川歸碧海，萬衆慕青娥。
妻子紅粧好，老殘朱臉呵。禿毫潤香墨，佳句降詩魔。
七絶・迎春覓句 鶴頭格 東京都 石倉鮟鱇
石鼠偸生試詩筆，倉庚振羽囀隣家。秀英居處芳梅早，樹杪紅粧伴雪花。
七絶・迎春覓句 東京都 石倉鮟鱇
一夢醒来椒酒香，東窗天霽旭光長。人當磨墨揮詩筆，游目前庭梅傲霜。
五絶・迎春覓句 東京都 石倉鮟鱇
元旦屠蘇酒，仍舊作詩媒。陳腐題梅綻，求新更一杯。
長相思・迎春覓句 東京都 石倉鮟鱇
旭日新，曙光新。眼底荊妻粧点春，共傾椒酒醺。
畫難眞，語最眞。暫作詩豪放唱頻，多情哭鬼神。
長相思・迎春覓句 東京都 石倉鮟鱇
煙霧中，殘夢中。人醒新正坐惠風，偸生仰碧翁。
海天紅，曙光紅。等待佳肴愛酒功，屠蘇腹肚充。
相見歡・迎春對酌 東京都 石倉鮟鱇
歳朝人擧金觴，吐清香。喜對荊妻塗粉巧華粧。
屠蘇酒，生涯友，泰平光。偕老同穴堪誓共星霜。
相見歡・迎春偶懷 東京都 石倉鮟鱇
歳朝椒酒芳醇，此迎新。陪我荊妻傾盞自成春。
抱孫子，含食指，保天眞。老認餘生福祿未全貧。
霜天曉角・明治神宮界隈歳朝長 東京都 石倉鮟鱇
江戸姑娘，歳朝競盛裝。明治神宮堪拝，近原宿、適華妝。
陽陽，遊興忙，喫茶談酒房。窗外斜暉未暮，夜欲短、日將長。
どやどやと江戸の娘は晴れ着着て明治の杜より原宿へ下る
歸自謡・送歳迎年詞未就 東京都 石倉鮟鱇
人信口，送歳迎年詞未就。無眠有盞交紅友。
獨聽鐘語催懷舊，寒威透。白頭身健還延壽。
長命女・夢醒歳朝延壽吟句 東京都 石倉鮟鱇
雲乍散。夢醒歳朝延壽看，院落梅將綻。
浮想花精粉黛，嬌態堪清筆硯。却老白頭詩骨健，覓句獨三嘆。
生査子・夢醒歳朝延壽吟句 東京都 石倉鮟鱇
元旦啜屠蘇，一醉知神妙。眼底見仙娥，陪我春妝好。
對飲與荊妻，試鼓詩腸巧。墨跡放清香，白首爲黄鳥。
上行杯・夢醒歳朝延壽吟句 東京都 石倉鮟鱇
夢醒歳朝傾酒，有白頭、偸生延壽。醉對荊妻陪痩叟，談笑共交紅友。
恰好屠蘇催信口，依舊，揮詩筆，掃塵垢。
点絳脣・夢醒歳朝延壽吟句 東京都 石倉鮟鱇
夢醒三元，白頭身健猶無恙。眼前堪賞，悦目花唇絳。
妻子春妝，共醉屠蘇爽。誇酒量，擬唐高唱，才媛聲明朗。
醉太平・歳朝吟句 東京都 石倉鮟鱇
天放瑞光，人入醉郷。荊妻陪我朝餐，勸屠蘇吐香。
先傾數盞，閑吟一章。游魂依舊題梅，擅詩情擬唐。
太平時・歳朝吟句 東京都 石倉鮟鱇
夢醒東窗旭日新，入佳辰。白頭延壽抱殘樽，試吟魂。
依舊題梅揮短筆，填間隙。陶然覓句保天眞，未全貧。
太平時・歳朝吟句 東京都 石倉鮟鱇
雲散初陽無點埃，照寒齋。三元夢醒一凡才，笑顔開。
少啜屠蘇期百歳，忽一醉。應時乘興試吟懷，喜春来。
短詩
短歌與瀛歌 東京都 田村星舟
あきづしま春は桜よしなかんづく吉野の夕の山ざくら花
蜻羽洲。春賞櫻花，吉野遊。就中山櫻，夕陽古邱。
曄歌・一 首 山口県 藤井登龍
彩雲開，喜寿君禧，氣佳哉。
偲歌・一 首 山口県 藤井登龍
領得仁風，無恙歳朝，欲寄素懐，寸衷開。
灣俳・四海迎春 東京都 石倉鮟鱇
四海迎春，萬戸千觴留酒痕。
よもの海はるを迎えり萬戸には千觴ありて酒痕を留む
灣俳・白頭賦詩 東京都 石倉鮟鱇
緑酒一巵，白頭朱臉賦新詩。
緑なす酒を一杯白頭は朱臉となりて新詩を賦せり
灣俳・新正堪醉 東京都 石倉鮟鱇
日照千門，人醉芳樽萬戸春。
灣俳・夢醒新正 東京都 石倉鮟鱇
殘夢雪晴，老殘延壽醒新正。
灣俳・四海三元 東京都 石倉鮟鱇
四海三元，詩翁山頂聳吟肩。
漢俳・三元吟句 東京都 石倉鮟鱇
三元酒量多。白頭身健猶延壽，聲高復放歌。
添字漢俳・迎新一吟 東京都 石倉鮟鱇
夢還醒，年亦新。阿蒙含笑傾椒酒，保天眞，作詩人。
添字漢俳・迎新一吟 東京都 石倉鮟鱇
詩骨健，旭光新。三元試筆冩金句，有白首，守清貧。
歳暮一吟
詩詞
五律・拝祭詩筆 山口県 藤井登龍
乾坤茲一轉，七十七齡春。試筆無功業，希祥祷社神。
晨鷄天下志，麗日瑞光新。落紙平安信，不關杖履民。
七律・送年一醉 東京都 石倉鮟鱇
老殘難斷慕情多，春晝秋宵養宿痾。花底風流流感涙，月中香夢夢仙娥。
隣家孀婦無回話，酒店狐狸有返歌。歳暮叩門求一盞，錢包奏效瞼波和。
七律・鳴 鴻 東京都 石倉鮟鱇
歳暮酒功催好夢，爐邊老骨作詩豪。游魂四海飛萬里，張翼八荒舞九霄。
瞰視紅塵憐燕雀，仰思銀漢破雲濤。天工堪簒吟腸健，鴻声向上斗星遙。
七律・歳暮酬吟 東京都 石倉鮟鱇
茅齋一壁点寒燈，詩債如山雪滿城。老骨傾杯追昨夢，酒功仍舊促吟情。
獨呵凍筆沾香墨，再冩美辭稱友生。自知才短依窗看，絶佳景物四無聲。
短詩
坤歌・一 首 山口県 藤井登龍
苦吟顛，案句敲詩，祭龕前。
曄歌・三首連作 千葉県 高橋香雪
老更悲。緑髪紅顔，歳月移。
情自牽。鐘聲百八，又一年。
気如虹。夢寝相逢，一宵中。
添字漢俳・歳暮一吟 三首 東京都 石倉鮟鱇
人欲老，歳將殘。傾杯懷舊數悲歡，揮詩筆，披肺肝。
天欲曙，歳將除。猶餘一日堪修補，揮詩斧，作酒徒。
詩可祭，歳將終。白頭依舊斟壺酒，無寸功，待春風。
灣俳・歳暮吟 四首 東京都 石倉鮟鱇
人待春風，年底祭詩無一功。
春風を人は待つなり年底に詩を祭らむも一功も無し。
吟志將空，暗夜鐘聲報歳終。
吟志もまさに空しくならむ 暗夜の鐘声 歳終を報じ
天餘一日，去歳来年似膠質。
一日を天は余すも行く年も来る年も似る膠の質に
酒洗枯腸，白頭醉夢老家郷。
酒洗う枯れた腸あり白頭は酔って夢みん家郷に老ゆを
閑雅逸俗
詩詞
七絶・銀杏並木行 千葉県 清水蕗山
仰観銀杏彩初冬,小扇幾千跳北風。華木不嫌化疎樹,交生身在落黄中。
七律・銀座大街逍遥 神奈川県 萩原艸禾
白髪逍遥閑半日，大街雑踏惜残年。俯観陳列窓中繍，仰看層楼街上弦。
聖誕電灯方砕玉，名牌商賈自華妍。今知老舗興亡感，忽已風寒臘月天。
七絶・晩秋街路 四首 神奈川県 高橋子沖
桜街路
鵯声寂寂使人愁，並立裸枝断送秋。素脚学童描景興，夕陽杖者復何求。
欅街路
欅樹高枝黄葉繁，石階揺落満寒垣。無言輪椅下人道，赶路職員笑語温。
常緑街路
暗緑街樟道路粧，西風秋去転凄涼。乱鴉切切人声絶，短日樹陰歩夕陽。
公孫樹街路
黄葉積街人影疎，寒風飛雀転凄如。斜陽村舎清香動，独佇心中感有余。
五絶・軽船行 埼玉県 芋川冬扇
波声聴不断，万頃望蒼蒼。島影知何処，潮痕海路長。
七律・望 海 （隔句對） 東京都 田村星舟
縱游未畢幾星霜，獨佇汀沙潮緩香。洗岸白波斜日映，往還無滯響溟郷。
催風黄蝶英姿示，繚繞不休對夕陽。坐向蒼茫聊意興，天涯優優綵雲長。
七絶・淺草寺 東京都 田村星舟
華小店舗連庇商，騷人參拝淺草房。回頭境域香煙漾，春色映甍斜照長。
七絶・酒魔巧言 東京都 石倉鮟鱇
朱唇含笑斟雲液，白首傾杯交酒魔。人有舊功堪讃美，醉聽恭惟付錢多。
七絶・冬夜偶成 東京都 石倉鮟鱇
蠧虫走處有春情，夏雨秋風塵外清。讀罷詩書灯火燼，白頭冠雪夜寒生。
七律・老僧醉吟 東京都 石倉鮟鱇
兎走烏飛一世平，光頭求法念群經。人曾習字親風韵，口未讀詩老梵城。
春賞山花趁黄鳥，秋穿楓徑憩紅亭。酒功靈驗催吟興，運筆如飛句易成。
（注）頷聯は離合體
七律・寒夜看詩書 東京都 石倉鮟鱇
山月皚皚雪已停，茅齋凛凛四無声。人看詩巻忘白髪，句有神工發玉英。
張口餐花飛碧落，回春却老化黄鶯。負暄樹頂喜風軟，獨領山河天下鳴。
七律・老對詩中青女 東京都 石倉鮟鱇
散官乞骨歸家土，勝景樹人知昨非。野鶩上京爲羽扇，家鷄下蛋在邊陲。
吟魂月性千秋照，過客雲心萬里飛。天下白頭試揮筆，詩中青女勸傾杯。
七律・美人接木弄花言 東京都 石倉鮟鱇
白首牽愁獨下班，大街風捲六花繁。歸途酒館挑燈火，醉裡仙郷問道元。
老板移花誑木偶，美人接木弄花言。笑乘酣興調平仄，子夜高吟鼓腹喧。
七律・秀才歸土 東京都 石倉鮟鱇
秀才空老杜鵑鳴，不忍官途白髪生。心欲歸山携筆墨，身將乞骨擲功名。
青灯點處衣魚走，黄巻開時花影明。夢想桃源醉佳句，秋宵月下擅春情。
七律・老骨閑居 東京都 石倉鮟鱇
老骨閑居世外逃，頻繙黄巻溯風騷。飲灰洗胃襟情好，換骨奪胎詩調高。
天用樗材化鳴鳳，喉無声病醉芳醪。吟魂張翼踰山野，飛渡滄溟萬里濤。
五律・清夜無聊 東京都 石倉鮟鱇
隻影孤燈下，茅齋呵筆寒。碧窗天有月，白首思無端。
帶酒求詩句，披襟洗肺肝。空成對聯好，清夜醉魂酸。
五律・醉 死 東京都 石倉鮟鱇
凡吏邊城老，作詩無寸功。人生歸一夢，壺酒費千鍾。
醉死游泉下，高吟似晩蛩。閻王抓我笑，餧鳥鼓舌紅。
十六字令・觴 東京都 石倉鮟鱇
觴，隨伴詩魔入醉郷。無官樂，吟句吐清香。
短詩
曄歌・二 首 東京都 田村星舟
神官去。紅葉濃淡，滿天星。 満天星の紅葉を離る禰宜ひとり
北風吹。攪拌蛋黄，憶家郷。 北颪 うすべにの黄身こはすとき
曄歌・五 首 埼玉県 芋川冬扇
草木黄。天荒地老，並鴛鴦。
不老仙。春風喜色，酒如泉。
夜合花。寿星天上，入窓紗。
未得閑。魚目燕石，洗愁顔。
又春風。一夢千門，万古同。
瀛歌・四時詠雪 東京都 石倉鮟鱇
鶯語遷。櫻雲飛雪，舞前川。風踰山岳，人醉花間。
雲吐炎。鉋氷如雪，碗中甜。與君避暑，忘我如鮎。
螢窗暗。雪案未明，秋月半。擱筆闔書，無言吃飯。
雪沈沈。人坐明窗，憶古今。閑肱堪枕，醉夢亦深。
添字漢俳・雪中偶成 二首 東京都 石倉鮟鱇
寒徹骨，雪埋身。白首凌寒呵画筆，描清景，飛碎銀。
寒鴉散，雪花飛。老殘買酒忘白髪，作朱臉，醉金杯。
添字漢俳・飲酒凌寒 二首 東京都 石倉鮟鱇
風頻漏，火易殘。白頭淺飲坐茅舎，依酒力，凌晩寒。
三冬酒，四邊書。人伴蠹虫過歳晩，輕名利，作迂儒。
親朋純情
詩詞
五律・訪問母堂 埼玉県 芋川冬扇
逝水平安信，臨風快意長。千竿聞鳥囀，一片嗅梅香。
小間白壁室，葛屋緑蘚牆。母堂揚手別，潤眼外窗望。
五律・醉與故人 東京都 石倉鮟鱇
白首多閑暇，携壺問故人。含情伴紅友，懷舊醉青春。
我有懸河辯，君無飾僞唇。賢愚何共老，延壽守清貧。
又
老境多閑暇，人頻問舊知。白頭競朱臉，銀月映金卮。
仍舊吟詩處，游魂振翅時。双翔化蝶舞，声似馬長嘶。
愛慕情絲
詩詞
七律・老夫住院治療切開手術 千葉県 高橋香雪
枯林短日葉聲乾，一室臥病行路難。生誕紅光夜漫漫，蓬頭白髪昼寒寒。
閑窗暮雨秋冬換，病骨浮世鮑叔看。起死回生頻握手，人生大息與君歓。
七絶・題萬葉雄略帝御製歌 東京都 田村星舟
草露輝輝田里連，細腰處女袖衣妍。爲誰一籠摘蘿蔔，馥郁梅香自那邊。
（注）御製歌
籠もよ み籠持ち 掘串もよ み掘串持ち
この岳に 菜摘ます児 家聞かな 名告らさね
五絶・杖郷年 埼玉県 芋川冬扇
花顔開寿域，鶴髪杖郷年。四顧終無句，千金偕老縁。
七律・寒夜寄情書 東京都 石倉鮟鱇
老境多閑人有筆，寒宵求句月爲朋。情書幾度寄閨秀，白首何時得效能。
悲嘆茅齋詩易就，愁吟冬夜水先凝。再呵香墨硯池凍，冩字獨誇風韵澄。
短詩
瀛歌・一 首 山口県 藤井登龍
日昇平，麗澤懷君，夢中精，梅花破蕾，老来消息。
社会生活・時事風刺
詩詞
七律・北京奥運○手着不着旗袍 千葉県 今田莵庵
子歳北京奥運時，表彰○手着何随？旗袍妖艶全球願，洋鬼回頭到想嬉。
漢服威厳漢族誉，清朝忍辱不勝悲。城中施設堂堂築，観客希望須勿欺。
（注）隔句對。○；邦＋巾
七律・福田総理急遽訪中 千葉県 今田莵庵
冬至已過尋北京，福田総理急交盟。地球温暖防備策，蓄積知能可得耕。
海下瓦斯開発法，相対理解念開程。老胡約訪桜花頃，中日希望又愈明。
七絶・横綱謝罪 千葉県 橋本新歌
托病還郷起事端，正襟請罪再開山。力挽千鈞誠可貴，更求碧血一寸丹。
七絶・参加埼玉縣漢詩連盟設立總會 埼玉県 塚越杉水
仲冬吉日月皚皚，賀宴層楼吟友來。只願伸懐同老少，幸魂清韻爲新開。
（注）幸魂清韻；埼玉漢詩連盟的会報名
七律・憂慮地球温暖化 東京都 石倉鮟鱇
朱臉映窗含酒香，北行百里醉眠長。火車今夜穿愁夢，隧道往時通雪郷。
瞠目銀花滿沙漠，仰天白日擅輝光。全球温暖冬如夏，不見江湖難納涼。
寓意偶題
詩詞
七律・賞上野公園秋景 千葉県 今田莵庵
公園銀杏聳天空，大道芸人妙技窮。再会爽秋餐飯後，赤心奕奕旧情風。
往時壮寺庭院跡，黄葉紛紛懐古中。上野林岡留歴史，展示文物品題豊。
七律・鳥獣戯画 千葉県 今田莵庵
高山寺在古都西，紅葉埋院秋色凄。禽獣写游伝四巻，画人不測又無題。
清廉白兎追振竹，悪戯青猿逃辿蹊。漫画今盛驚世界，千年元祖気如霓。
七律・正倉院宝物展 千葉県 今田莵庵
聖武天皇遺愛蔵，唐朝宝物幾多芳。回頭縷縷絲綢路，閉眼層層長安坊。
平穏扶桑今得見，重災故地已知亡。松風颯颯清秋日，東海民逢拝観慶。
七絶・巧男織毛衫 千葉県 橋本新歌
（一）
長裘綴朶子燕肥，短裙堆錦絲藤垂。行針走線千般巧，織女含愧讓須眉。
（二）
莫道深窓対閨門，軽弾玉指非麗人。巧手男児多奇志，不諳弓剣愛女針。
七絶・折 紙 千葉県 橋本新歌
雛鷄啾啾喚媽味，蝶蜂翩翩舞樊籬。彩紙飛翻生百態，巧奪天工化神奇。
五律・冬夜看星座 神奈川県 高橋子沖
日短日輪没，夜長北辰浮。東方銀漢定，南至木星周。
宇宙悠久極，人生一瞬流。低徊難結夢，黙坐却牽愁。
七絶・冬季星座偶感 二首 神奈川県 高橋子沖
（一）
無涯宇宙正悠悠，仰望天河万感稠。一瞬人生空入夢，流星冬夜問無由。
（二）
漠漠暗天北斗昂，三星猟戸放輝光。人生百歳黄泉下，畏敬天空俗事忘。
(注)猟戸是オリオン星座
短歌與五絶・鶏與兔 東京都 田村星舟
鶏小屋に鶏と兔が飼はれをり互（かたみ）に同じ餌を食みながら
鶏兔吃同餌，晝宵鳥屋中。不知浮世事，澹澹似相融。
七律・雲孫山隱 東京都 石倉鮟鱇
家鷄下蛋安民戸，野鶩上京爲士臣。世路三秋追斗祿，官途萬里有忠魂。
人爲善諫買天怒，火盡餘殃及耳孫。散士茲思祖先業，守愚足分老山村。
（注）頸聯は離合體
七律・邊土無詩法 東京都 石倉鮟鱇
盛夏吟行出帝郷，俳人成隊入山莊。縁邊無法詩情短，眼底有檐鈴語長。
信口數言成一句，傾杯寸刻辯三唐。王維秀作芭蕉範，杜牧周游携酒觴。
山川覽勝
詩詞
連続江戸名所（用新韵） 東京都 池田耕堂
小塚原刑場跡 回向院・現延命院 （荒川区南千住）
刑場荒廃極傷神，僧侶開庵弔故人。非業亡霊留怨念，延年地蔵救迷魂。
勤皇志士仆刑刃，医学先賢試"腑分"。鉄路侵抄家屋迫，隘寂旧跡痛吾心。
法華寺 （市川市中山）
門前幽巷往時看，素朴店舗情緒牽。"比翼"師堂極荘重，高丘古院絶塵喧。
杜花満苑紅如灼，若葉蒙山翠似煙。縹緲林間禽語静，四時風物縱遊観。
傳通院 （文京区小石川）
徳川寺院自清閑，巡墓騁懐空断魂。"於大"銷愁此埋葬。"千姫"遂思共安眠。
陽春参道"紅花"麗，初夏前庭緑樹鮮。屡起火災帰瓦礫，新堂復旧有余歓。
（注）"於大"；家康の生母。"千姫"；家康の孫。"紅花"；八重桜。
川崎大師 金乘院平間寺（川崎市川崎区）
門前茶店毎繁栄，陸続詣人連袖行。開祖本堂催感動，明王仏殿滌心胸。
"将軍"崇信本尊拝，"皇后"帰依皇子生。除厄護摩霊験著，大師功徳正無窮。
（注）"将軍"；11代将軍家斉。"皇后"；鳥羽上皇妃美福門。
蛸薬師 成就院 （目黒区下目黒）古詩旧韵
"円仁"感謝仏慈悲，一院開創祀薬師。大蛸壁画甚愉楽，鼎蛸台座真珍奇。
如来功徳遍天下，民衆参詣無尽時。"秀忠"側室深信仰，"鳳児"出産資幕基。
（注）"円仁"；慈覚大師。"鳳児"；保科正之
七絶・周庄帰来有題 千葉県 陳 興、
曾到青森詩数首、湖山除却只遊人。周庄雖具水郷色、早有商家充満村。
短詩
曄歌・大雪二首 千葉県 田 旭翠
于岩手県紫波町
盈路陌，天花一色，埋前迹。
篩玉塵，寒雲醸雪，砕銀新。
曄歌・冬至二首 千葉県 田 旭翠
于蘇州市望亭鎮
耐窮冬，軽暖重封，暁霧濃。
嘆日暮。浮生面目，那更慕。
曄歌・除夜二首 千葉県 田 旭翠
歳除天。行客未眠，送流年。
残燈慈。身在天涯，許相依。
（注）倣蘇東坡「除夜野宿常州外」詩意
"多謝残燈不嫌客，孤舟一夜許相依。"
秦兆明先生寄詩
観周恩来記念碑偶感 七首
其 一
七十九年詩一首，雨中嵐山求真理。建国偉業人称賛，中華復興同舟済。
其 二
層林初染嵐山上，碧水漣○蕩軽舟。再求真理寧静中，藍天白雲寄鴻籌。
サンズイ＋ケモノヘン＋奇
友 誼 -贈沼倉守-
闘転星移十二載，豊沢川畔憶往昔。滔滔江水流不尽，天長地久沼倉誼。
中 秋
神州大地昇明月，華夏児女共此時。扶桑独居思妻児，天崖海角同呼吸。
偽 装
赤福吉兆白恋人，地鶏馬肉炸肉餅。横浜料理崎陽軒，食品安全心頭病。
交 通
快速急行各駅停，JR地鉄新幹線。便利安全亦正確，経済繁栄路領先。
惜 縁
相見東瀛別扶桑，君去屋空月自明。飛黄騰達展宏図，来日重逢話旧情。
政 治
久間失言国民憤，松岡自殺朝野驚。安倍下台国会恙，守屋入獄防衛暝。
資金年金反恐法，肝炎和解転救済。小沢野党謀執政，福田内閣共勉励。
新 年
門松迎新辞旧歳，闔家団圓話新春。寺廟神社積善徳，人潮如海祈豊順。
蹴鞠浄身攀高梯，福袋初荷興産業。社会和諧需景気，世界和平須団結。
遊戯放逸
依四字成作漢俳
東京都 石倉鮟鱇
佞悪醜穢： 石鼠穀倉鳴。老来佞悪獨延壽，醜穢尚偸生。
熱烈峻嚴： 雲散快晴天。人員熱烈歡迎處，峻嚴交渉前。
多岐亡羊： 夢趁未来者。前路多岐身一个，亡羊歸草舎。
明哲保身： 世路舞紅塵。于是良禽擇大木，明哲保痩身。
老驥伏櫪： 建功留馬骨。君如老驥猶擇木，伏櫪獨刮目。
慈母敗子： 風寒歳暮天。酒樓慈母陪白首，敗子買朱顔。
英明果敢： 詩壇弄雅情。才媛英明無客氣，果敢却俗評。
沈着大胆： 塵界有彭殤。童子沈着坐泉下，大胆對閻王。
大異小同： 夫唱賢婦隨。性情大異相彌補，小同頻伺窺。
瓜田李下： 偸生韻事多。人入瓜田探花鳥，李下会詩魔。
難易輕重： 老懷知己清。世途難易自相生，輕重亦相成。
英邁闊達： 新鬼化胡蝶。人曾英邁得佛眼，闊達瞑墓穴。
質素倹約： 俳人誇短言。措辞質素無声律，倹約有花源。
殺伐激越： 醉吟平仄亂。詩意殺伐萬紫枯，激越千紅散。
妖異幻怪： 夢裡宴群仙。詩魔妖異陪白首，幻怪吐紅箋。
狷介固陋： 白首領吟壇。斯人狷介無詩想，固陋有名声。
優美高妙： 詩魔舞態佳。歌声優美誑愁客，高妙擅詞華。
質実剛健： 隱士正衣襟。擧止質実無険語，剛健有居心。
聰明剛毅： 才士老江湖。往日聰明有鴻志，剛毅望前途。
磊落豪宕： 草舎似仙家。詩魂磊落隣山水，豪宕擅詞華。
殘忍酷薄： 天帝定傷心。樂人殘忍殺牛馬，酷薄充肉林。
疲勞困憊： 詩客入深山。吟歩疲勞迷鬼道，困憊死花間。
参差錯落： 覓句奪天工。麗藻参差如萬紫，錯落擅千紅。
放辟邪侈： 人未到天年。餐霞放辟吟花底，邪侈費詩箋。
2月号
会長就任挨拶
芋川冬扇
この度、中山先生の後任を仰せつかりました。
先生の漢詩に対する情熱をどれほど引き継ぐことができるか分かりませんが、どうぞよろしくお願い致します。
先生が作られたテキストは漢詩会の貴重な財産です。
漢詩創作のバイブルと云うべきものになるでしょう。先生からは今までどおりご指導を頂けることを有難く思います。
葛飾吟社の特長は個性を尊重することと、おおらかさにあると思います。この気風を変えることなく皆様の協力を頂きながら活動を続けることをお願いして、就任の挨拶とさせて頂きます。
2008年1月26日
会長退任のご挨拶
中山逍雀
私は1980年に千葉県松戸市社会教育認定団体第３１０號
漢詩詞同好会、葛飾吟社を創立し、今年で創立28年を迎えます。私の年齢も已に満68歳に成り、私が創立当初掲げた目標はほぼ達成されました。
創始者には、創始者としての能力が必要ですが、継続させる爲には、継続させる為の能力が必要です。私は此処に創設者の任を終えたと自認し、平成20年1月12日(2008-1-12)会員諸氏の賛同を得て、会員芋川冬扇氏を漢詩詞同好会葛飾吟社第２代会長に任命しました。
今後、私は一般会員として、会員諸氏の要望に応じ、適宜漢詩詞の講義に当たらせていただければ幸いと存じております。
なお諸賢に於かれましては、小生に賜りましたご厚誼を、新任会長芋川冬扇氏に代えて、倍旧のご支援を賜れば幸いに存じます。
2008年1月12日
逍雀（満68歳）頓首
詩法を受け継ぐ会員諸氏へ
中山逍雀
私が黒潮吟社と山陽吟社の門前に立ったのは、四十歳の頃です。黒潮吟社主宰高橋藍川師と山陽吟社主宰太刀掛呂山師、兩師の下で漢詩の指導を受けました。
ある時、高橋藍川師は、並み居る高齢者の中で若造の私に「私が何故に漢詩壇を開いているのか！私の誠意を知って欲しい！社会に還元して欲しい！」との旨を話されました。
定例会の席上、太刀掛呂山師は、並み居る老齢会員を前にして、「私は老齢に鞭打って、皆さんに漢詩の講義をしています。皆さんは、私の熱意を貴方の口を通して語って欲しい！」との旨を話されました。
兩吟社合わせれば、その会員は沖縄県から北海道まで、全国に及び、その数は700名余りで、高橋藍川師と太刀掛呂山師の意志を継いだ漢詩詩壇は全国に有りました。
私にも、宮崎県、大分県、香川県、大阪府、静岡県、千葉県にと、吟社を創立した先輩が居りましたが、今は、何方もご高齢のため、老境若しくは他界してしまいました。
私は幾度も、創始者が去った後の詩壇の崩壊を悉に見ております。高い技量を持った指導者が居たのに、その技量を伝えるテキストが存在しないのです。希に有ったとしても、一般教養の域を出ないレベルでした。此では創始者の高い技量の伝授が老境若しくは他界した時点で途絶えてしまいます。
私が千葉県松戸市社会教育認定団体第３１０號
葛飾吟社を旗揚げしたのは、41歳で昭和55年・1980年です。当初の10年は右往左往の状態で、漸くにして進むべき道を得たのは、高橋藍川師と太刀掛呂山師が他界した後の事です。
私は中国詩詞壇との連携を求め、滋賀県の大井清老を訪ねました。大井清老のご尽力により、北京の詩人"李芒先生"との知遇を得て、老師が老境に至るまで、詩法と添削指導を受けました。その間にも、北京の林岫女史を初めとする、多くの中国詩人諸賢に、詩詞応酬に混えて添削指導を所望し、詩法と添削指導を受けました。
私は吟社を創設するに当たり、次の幾点かを決めました。
１－中華詩詞壇に通用する作品が作れて、中華詩詞壇の諸氏と対等に詩詞討論が出来る知識を保持すること。
２－詩人は心を研ぎ澄ませて、時代の先端に臨まなければなりません。其れには漢詩詞が最も適切です。悠長に花鳥風月を謳っているばかりではいけません。
３－葛飾吟社は、門戸を寛く開き、詩歌の別を問わず交流を盛んにします。
４－先賢老師からもたらされた知識を文字情報に整理して、後継者に引き継ぎます。
５－詩詞作品のあり方に付いては、私なりの意向を持っています。棚橋篁峰氏の文章がありますので、此を引用し、私の意向の表示に代えます。
「現代韵の問題について、日本に於いて知る人が殆ど居ない状況で、古典漢詩が現在に存在して居ることは、憂うるべき状況です。更に近体詩を金科玉条の如く考える日本の漢詩界では、漢詩は形式のみを貴しとして、詩人の意境を省みることの少ない風潮を生んでいます。その為、本来自由でのびのびとした詩人の心の叫びは、思うような表現とは成らず、誰の漢詩も同じ様な詩となり、変化に乏しいものと成りました。歴代の詩人が其の詩的生命を賭けて追い求めたものは、実はそのような形骸からの脱出で有ったはずです。我々日本人が本来外国語の詩である漢詩に親しみ、共に育ててきたのは、その詩に込められた、心の叫びが感動を呼び起こしたからに他なりません。現代の日本の漢詩に、それらがあるのかと言えば、残念ながら首を横に振らざるを得ません。」
（注：棚橋篁峰；千葉県市川市生まれ、京都市在住、日中友好漢詩協会会長、中国西北大学名誉教授、中国茶文化国際検定協会会長、渡中國回数並びに中国文人知友の数に於いて、日本に彼の右に出る文化人は居ません。）
６－以後の研究によって獲得した情報を、文字情報として後世に引き継ぎます。
７－創始者には、創始者としての能力が必要ですが、継続させるためには、継続させるための能力が必要です。両方の能力を兼ね備えることは極めて希です。因って、創始者は当初の目標達成を契機に、引き継ぎは早いほうがよいのです。
８－同好会は営利企業と異なり、会員の爲の組織です。諸氏が担任する任務は、会員に広く委ねるべき事柄です。常に後に続く者に配慮して、早すぎるのでは！と言われるくらいが引き時です。
私は自分も認める、がさつ者ですが、無鉄砲と怖いもの知らずで、高橋藍川師と太刀掛呂山師の煽てを真に受けて、27年前に葛飾吟社を立ち上げてしまいました。
10年前に中国の詩壇文化人との詩詞交流討論会開催を為し、以後３回の詩詞交流討論会開催を為しました。
数年前に、私が先賢から教わった基本的な詩詞情報は、総て文字情報として整理が完了し、詩詞の講座も漸く昨年末で、一通りは講じ終えました。
中国国内で私のために東奔西走して下さった、林岫女史に対しては、日本への招聘を成して、その労に報いました。
此によって昨年末で、ほぼ私が葛飾吟社を創立した当初の目標は達成されました。そして、今年の正月例会の席上、第２代葛飾吟社会長として、会員一同の賛同により、芋川冬扇氏が決定致しました。
私は、会員諸氏に、私の如き、山出しの、がさつ者に、長い間付き合ってくれました！と、厚く御礼を申し上げます。
2,008年１月13日
逍雀 頓首
今年の漢詩詞講座に付いて
中山逍雀
昨年末をもちまして、漢詩詞詩法のあらましを話し終えました。概ね此までの詩法を理解していれば、どんな場面に遭遇しても、詩法知識の欠如で恥を晒すことは事はないでしょう。
さほどの努力をせずとも、此までの知識で、凡作ならば対応できます。然し、詩法の講義をしたり、今一歩佳作に近づく爲には、今一歩の学習が必要です。
詩法も多岐に亘り、深く考究すれば遂には、私論に遭遇することは必然です。私論は講者を含めて、各位各論で、其れを系統的に纏めることは、如何に討論を重ねたとしても、並大抵な作業ではありません。
この講座は限られた講義時間の中で、平準的な初歩基本詩法を学ぶ事を目標としていました。依って効率的な時間配分の爲に、沢山の時間を要する私論を誘引するような緻密な詩法は避けて参りました。
今年の学習は、今までの学習とは異なり、佳作を作るために一歩を進める、或いは指導者としての講義は、多くを講者の私論に委ねるところがあります。
私の講義も、会員各位の私論の一端に過ぎないのですが、然し此を逐一討論して居ては、瞬く間に時間が停滞して仕舞います。
依って此からの講義では、私論と異なる要件は沢山あると思いますが、其れは夫れとして、討論の対象とはせずに一つの情報として処理していただきます。
私も、一つに纏めきれない事柄が多々ある事は承知していますが、是を列挙していては、却って纏まりが付かなく成りますので、敢えて少数に絞っている事をご賢察下さい。
2008年１月14日
逍雀 頓首
中国承徳 孔憲科先生寄中山短詩七首
中山栄造先生
ご無沙汰しております。
私は先生の発明した新短詩が大好きです。今年の年始、私は黒竜江省の樺南と鶏西に参ったのですが、曄歌を４首、瀛歌を３首作って見ました。ご指導いただきますようお願い申し上げます。葛飾吟社の「梨雲」に掲載できましたら幸いと存じます。
孔憲科 頓首
曄 歌 中国 承徳 孔憲科
山裏行。荊棘牽衣、飛羽絨。
雪没膝。寒風割面、汗淋漓。
意痴迷。終日無餐、未覚飢。
山顛望。白雪無垠、心舒暢。
瀛 歌 中国 承徳 孔憲科
登山去。健身砺志、享眼福。凭百丈峰、縦千里目。
身匍匐。艱難攀登、如壁虎。頭上高山、脚下深谷。
天方暁。夜雪朝晴、景真好。残月彎彎、炊煙嫋嫋。
閑雅逸俗
詩詞
七律・在元旦坐電車単独旅行 千葉県 高橋香雪
元旦冒険我驚人，黄髪獨戯天下珍。"梓號"車窓初日上，"信州"天地六花新。
"黒城"疎景浄無塵，"白寺"繁華自有神。奔放老婦獨對酒，今年我亦獨成春。
（注）黒城；松本城。白寺；白雪覆盖的"善光寺"。
梓號；電車的名称。信州；地名。
七律・偶 成 埼玉県 松本杏花
江山既動踏青時，天地最是春色宜。遠郭緑林百千跡，長堤紅杏兩三枝。
渡頭人去黄花散，丘上聲無白雲移。只有傷心思往事，多年縷縷任榮衰。
七律・偶 成 埼玉県 松本杏花
屠蘇閑酌對児孫，開信思君喜萬軒。賦詩依舊懐往事，呈祥立志繞香門。
誰知陋巷多奇句，自笑浮生似旅魂。今日明窗春又去，延年無恙謝天恩。
五律・偶 成 埼玉県 松本杏花
麗日多遊蝶，暖風花影移。水温人易酔，雨細柳成絲。
落落年年老，悠悠處處宜。陶然閑白昼，春影踏青之。
五絶・新 年 埼玉県 松本杏花
天地祥雲色，歳朝放瑞光。盆梅開寿域，禿筆寫家郷。
五絶・吟 情 一 埼玉県 芋川冬扇
鶯声春尚浅，柳眼保天真。出谷無尋処，耽吟離愛人。
五絶・吟 情 二 埼玉県 芋川冬扇
夢覚秋冬換，枯腸笑我愚。病床人不語，窓外鳥来呼。
五律・新春感懐 神奈川県 高橋子沖
千門寒色去，四海暁光新。柳葉猶応早，梅花欲及辰。
他郷吾独老，遠客自相親。酌酒咨嗟久，吟詩笑語頻。
七絶・新春訪子神社 神奈川県 高橋子沖
上○神域緑陰中，社殿鴉鳴淑気通。白衣盛装今日集，賀正参詣酒旗風。
(注)子神社是神社名；○＝土＋皆
六絶・春日偶成 東京都 田村星舟
幽徑禽啼日遶，頽墻堂在人空。落花無語層地，亂草曳愁動風。
七絶・初冬散策 東京都 門馬清明
初冬軽暖出柴門，十月水村霜有痕。近見江畔紅累累，遠看一点易黄昏。
七絶・歳末感慨 東京都 門馬清明
窮陰重悟一年空，奈此人生誰我同？宿望難擲心未老，書窗梅影待春風。
七絶・四時歌 東京都 石塚梨雲
春光花気亦一新，夏雨繞山滌玉塵。秋月如灯照愁客，冬宵揮筆雪窗親。
七絶・雨後訪梅 山口県 藤井登龍
四檐點滴未如絲，煙雨瀟瀟芳草滋。潤地離枝同一事，梅花冷艶賞心奇。
七絶・雨後村郊 山口県 藤井登龍
村郊物湿雨餘天，詩客心融春信前。柳眼梅唇粧大地，上番花影著鞭先。
五律・早春観梅 山口県 藤井登龍
看花貧士楽，含笑一枝横。探梅千樹路，結信兩鶯聲。
守拙無人解，傷時笑此生。素蕊春猶淺，風暄吟屐輕。
七律・故 事 東京都 石倉鮟鱇
秋月清光照山湖，詩客鼾眠枕韻書。夢以龜毛爲画筆，人描兎角笑樵夫。
白頭鳳字無才分，金髪天魔沽酒壺。美禄洗腸喉自潤，晨鶏鳴處醒迂儒。
七律・寒冬故事 東京都 石倉鮟鱇
銀月蒼波穿碧窗，詩魔斂袵坐書房。彬彬有禮陪吾輩，淡淡無端傾酒觴。
回憶鬼妻眠冢壙，醉描花貌試春粧。眼前仙女添佳句，拂曉坐雲歸曙光。
七律・寒冬醉夢 東京都 石倉鮟鱇
白頭取暖擅杯觴，忍受冬寒醉夢長。日照靈犀免堅甲，人看讓娜入澄江。
清流瀲瀲氷肌燦，金髪晶晶午日煌。晩境鰥夫無韵事，鼾眠浮想夜中央。
七律・醉對詩魔 東京都 石倉鮟鱇
鳳雛長處世承平，天子不須人上京。三界乞食求悟道，十年斷酒損風情。
詩魔憐我彈琴促，春鳥尋花振羽鳴。亦有華粧山鬼勸，白頭酣醉化黄鶯。
又
白頭無事有枯腸，午醉醺然送夕陽。海月上天臨草舎，詩魔陪我侑瓊觴。
高山流水彈琴好，珍味佳肴催酒香。夢裡春情伴吟句，眼前花貌曉霞粧。
又
騒客老来如晩蝉，頻繁求句聳吟肩。詩魔含笑陪佳境，雲液洗腸清對聯。
越鳥南枝人北里，鏡花流水月飛天。一場春夢歸山墓，三世秋愁隣酒仙。
七律・春 吟 東京都 石倉鮟鱇
雲影靄然峰嵌巉，柔風拂面入輕衫。詩魔誑我山光好，山鬼侑觴詩料凡。
游目春林把金筆，樂生仙境坐蒼巖。聳肩不顧句陳腐，吟處無人有古杉。
又
騷客十人連素襟，探花數里入梅林。詩魔誑處春風好，香氣流時社長吟。
絶句四行如尚古，醉歌三嘆伴彈琴。鴎盟翁嫗效顰後，日照紅箋西嶺沈。
又
吟行數里歩梅村，雅客清遊無酒痕。毒婦破家隨韻事，英雄好色到雲孫。
朱唇綺語粧花貌，白首狂言隣緑樽。野店傾杯競俳句，笑対詩魔陪醉魂。
又
碧落浮雲留弦月，白頭求句仰春櫻。天飛紅雪堆湖畔，人有金杯無酒酲。
山鬼採長蘇木魅，詩魔補短伴花精。晩年隨意游吟境，獨送夕陽如老鶯。
又
鴻翼受風迷世間，秀才喪志老吟邊。詩填百孔人乘興，酒洗千瘡花滿天。
仰賞櫻雲撒香雪，試酬鶯語領山顛。揮毫隨感擅香墨，求句傷心染錦箋。
七律・偶 成 東京都 石倉鮟鱇
凡人愛日作書痴，欲解無聊覓句時。冬夜按圖求古韵，茅齋索驥試新詩。
老殘口業多聲病，才媛医生勸酒巵。仙藥有功催好夢，蝶夢双飛舞玉枝。
七律・醉賞櫻花吟句 進退韻 東京都 石倉鮟鱇
十里風暄堪探春，詩翁曳杖入櫻雲。碧落遠山峰雪耀，白頭近視眼花巡。
欲吟依旧將傾酒，將醉遊魂欲建勲。七律雖成句陳腐，黄鶯清囀景無塵。
七律・賞櫻花遊墨東 進退韻 東京都 石倉鮟鱇
櫻雲盛涌墨江東，清昼醺香朱臉濃。草舎多閑隣酒店，光頭無恙坐春風。
花飛如雪浮春水，人醉遊魂聽寺鐘。未到天年擅佳景，求詩仰處月張弓。
短詩
曄歌・一 首 山口県 藤井登龍
雪全晴，破蕾梅花，遇花精。
曄歌・春 三首 東京都 田村星舟
蒲公英。躍躍如鼓，使花鳴。 タン、ポンと鳴り出でよ畦の鼓草
夕東風。一碗稀粥，恰如練。 夕東風や白粥に艶あることの
春海蒼。日沒鮮明，望茫洋。 くつきりと日沒りにけり春の海
曄歌・三 首 東京都 石塚梨雲
草堂春。心身磊落、墨香新。
学海深。悠然青史、耐研尋。
人惜寸陰，詩書有味，耐甘心。
曄歌・三 首 埼玉県 松本杏花
梅花訪。詩債成山，豈足誇。
野郎家。梅花一盞，透窗紗。
鉄骨斜。一燈相伴，郊外家。
瀛歌・冬 日 三首 千葉県 高橋香雪
掩柴門。紅梅春色，誰氏園。歩歩老夫，嬉嬉自存。
炉火紅。窗前雪天，舞午風。少婦喫茶，老夫懐功。
二月天。霏霏小雪，風颯然。寒衾驚夢，深夜未眠。
俳句と漢俳二首 埼玉県 松本杏花
茅屋の盆梅人を待ちにけり
茅屋雙屐痕。餐卓盆梅香只満，峭寒懶閉門。
花はまだ固い蕾や春夕焼け
雲淡薄寒加。村巷探花花未發，春夕夕陽斜。
灣俳・三 首 東京都 石倉鮟鱇
一字千金，千住俳人一瞬吟。
一暴十寒，吟句十年一酒仙。
一路順風，八仙渡海月三更。
親朋純情
詩詞
七絶・花発日 神奈川県 林 凱風
老残朝夕似辺城，一冦排除一冦生。 雅友開不花下宴，
牀前独見満枝櫻。
七絶・故 郷 神奈川県 林 凱風
遠望山河若不移， 近来村路莫相知。 何須故苑懃懐旧，
櫛比高楼只致悲。
七絶・目黒會 神奈川県 山田鈍耕
万里相會結浄縁，崢嶸世路著金鞭。交歓磊落在紅顔，流水行雲五十年。
七絶・歳晩所懐 神奈川県 山田鈍耕
多難一年将暮時，窗前依然早梅披。郷関友信天花亂，書中相逢暗涙垂。
七絶・謝松木正利兄賜贈干柿 千葉県 今田莵庵
庄内邑村柿実豊，清風干産点心工。忽懐羽黒松岡里，満口味香詩魂充。
七絶・寄神島一郎兄薦作詩（鶴頭格） 千葉県 今田莵庵
神州詩作不難題，島島年年如入犁。一切幽吟随系統，郎君奮杖試描泥。
定風波・昆山訪詩友郭鴻森返回日本後有寄 千葉県 陳 興
長憶昆山共挙杯，笑談曾到夜深時。電話使人忘遠近，相信，人生一路会多詩。
一別故郷将八載，如海，櫻花歳歳満城飛。冬望江南多種柳，依旧，春来青色未曾移。
望遠行・從東京往上海途中賦詞一首贈蕾蕾 千葉県 陳 興
紅顔久待，光陰逝，苦恨帰期長候。浦江留照，市内同行，詩手携丹青手。一様相思，分隔在滄波闊，朝暮海鴎飛走。問人間，多少愁肥嘆痩？
非酒，非夢亦非往事，酔此景、雁飛成偶。会祝福之，路長共往，風雨此生相守。詞筆曾擱時日，飛机艙内，又把詞門軽叩。屋内詞神問，君帰多久？
短詩
坤歌・一 首 山口県 藤井登龍
訪詩盟，斗酒雙柑，老梅萌。
偲歌・一 首 山口県 藤井登龍
踏青之，久闊尋朋，清話傾杯，忘帰期。
瀛歌・一 首 山口県 藤井登龍
叩君門，青眼迎吾，滌塵煩，庭院風暄，物我相忘。
愛慕情絲
詩詞
七律・春 一首 東京都 田村星舟
昨宵明鏡降銀沙，今旦游禽亂絳葩。月夜花晨動吾意，思君開信里山家。
（注）月夜花晨動吾意的詞匯従湘東王繹的花朝月夜動春心采用
七律・泉下逢鬼妻 東京都 石倉鮟鱇
鰥夫仍舊醉攻瑕，険語呶呶坐酒家：悪婦破家留欠債，良禽擇木擅芳花。
人間失樂人眠墓，天上多閑天飲茶。一夢醒来逢玉女，鬼妻泉下笑容佳。
五律・賢相衣錦還郷 東京都 石倉鮟鱇
賢相官途老，夏天辞北京。秋霜降頭髪，冬雪舞歸程。
衣錦逢孀婦，還郷傷旧情。別離年几歳，再会涙千行。
短詩
灣俳・百歩穿楊 東京都 石倉鮟鱇
百歩穿楊，丘比徳、射箭姑娘。
偲歌・二 首 東京都 石倉鮟鱇
英雄好色，快馬加鞭。夜追青女舞山巓。
天無卮酒，人有花容。黑鴉一夢作王公。
社会生活・時事風刺
詩詞
七律・寒夜偶感 千葉県 田 旭翠
景物維新覚有情，豈知経済大忙生。耐寒松柏人無識，欲発梅花雨未晴。
世態昏矇堪外侮，繁華競遂任時評。即今天凍花耶雪，不待東君学力耕。
七律・印尼蘇哈托総統登仙 千葉県 今田莵庵
総統君臨三十年，雖招毀誉貶褒憐。起身爪哇勝貧苦，乗政印尼醒惰眠。
西北列強侵略遠，東南亜国繁栄連。巨星今落油盛国，誰拭降灰内外烟？
（注）蘇哈托=Suharto. 爪哇=jawa. 印尼=Indonesia.
七律・冬夜偶成－Subprime Loan 神奈川県 萩原艸禾
老骨炉辺冬夜永、回看時態警鐘微。衆民借款江湖濫、富賈投資計略違。
億萬銭財濡沛雨、三千世界怕寒威。任他我有一樽酒、窓外無声月照扉。
七絶・聽警視廳音樂隊的新年演奏 東京都 田村星舟
萬客深深傾耳全，樂章滿館又迎新。浮生憂歎忽吹散，或想天慶洗我心。
七絶・憂 患 千葉県 清水蕗山
防省高官行不宜，奸臣跋扈国家危。老僧将擬偽一字，□噫霞洲清逸誰。
□＝口喜
七律・春来早 東京都 石倉鮟鱇
日照前庭梅數枝，雪融清淺水如絲。東風拂面輕烟淡，北麓負暄芳意滋。
人恐地球温暖化，花誇玉蕊郁芬時。担憂後世春来早，或許難題香骨詩。
七律・句 会 東京都 石倉鮟鱇
詩魔隱處山河在，山鬼招時詩料調。悦目櫻雲流景勝，求功句会擅花朝。
佳俳宜似名家作，醉臉應隣玉女嬌。先撰秀吟移酒宴，共迎明月坐良宵。
七絶・不逞之徒 東京都 石倉鮟鱇
英雄好色子孫多，不逞之徒從酒魔。醉放四聲爲巴調，飲如社鼠湎天河。
七絶・不甘示弱 東京都 石倉鮟鱇
迂儒妄語難姦商，才媛不甘示弱強：嚴父頻頻問天意，贏財堪散祀空王。
七絶・不共戴天 東京都 石倉鮟鱇
俳人何厭短歌長，不共戴天吟句忙？日本古来輕道理，禿頭嘲笑法師光。
七絶・不歡而散 東京都 石倉鮟鱇
酒客批評擅悪言，詩人怒髪乍衝天。不歡而散山將暮，鳳字八行留錦箋。
短詩
灣俳・星火燎原 東京都 石倉鮟鱇
星火燎原，人類繁殖泉下天。
寓意偶題
詩詞
七絶・賛藤沢周平（鶴頭格） 千葉県 今田莵庵
１月26日藤沢周平忌日当日、山形県鶴岡市『荘内日報<今週の詩歌>掲載
藤花郁郁士風薫，澤潤何論自綴文。周覧邑都如小説，平居筆硯湛然勤。
七律・観覧近衛家千年至宝展有感 千葉県 今田莵庵
通史千年近衛廂，尋常家系繋天皇。天皇墨蹟年年遺，宰相筆硯奕奕蔵。
空海和尚詩稿渾，御堂関白日乗詳。偶人微笑高壇上，時代禍災如不忘。
七絶・土 俵 千葉県 橋本新歌
天圓地方啓山門，鵬騰竜躍巻風雲。勝負無常兵家事，折而不屈見英魂。
七絶・光明正大 神奈川県 山田鈍耕
人生宗教自然観，善悪救迷混沌蟠。裁直簡明如石火，光明遍照各平安。
七絶・円覚寺坐禅会 神奈川県 山田鈍耕
師走檀林結浄縁，僧房散策借才賢。暁天獨参老師喝，学子禅談五十年。
七絶・近江神宮紙牌大会(百人一首) 神奈川県 高橋子沖
雪舞神宮淡海森，和歌朗詠四声深。攻防一瞬花牌舞，不朽詩情万古心。
五律・万葉紙牌大会 (飛鳥文化会館) 神奈川県 高橋子沖
迎新遊万葉，望眼阜丘京。柳緑月無色，花紅有風声。
朱眼春色麗，白髪暁光明。高唱満堂揺，名歌琴線驚。
七律・安居落戸 東京都 石倉鮟鱇
散人夢想養秋蚕，羽化窮冬舞甕天。詩客安居隣緑蔭，酒徒落戸在黄泉。
笑斟雲液餐霞洞，醉問閻羅擅宿縁。鴻志原来歸鳥類，裸虫空老夕陽邊。
七律・人面獣心 東京都 石倉鮟鱇
春晝午眠隣勝景，花間香夢帶鼾雷。竜頭蛇尾英才醉，人面獣心妖婦陪。
請我新詩讚青女，唱歌酣興擅金杯。秋波献媚招房裡，雨意雲情良夜催。
七律・荒唐無稽 東京都 石倉鮟鱇
人坐春山轉散心，花間醉夢亦堪尋。鏡中趣味別天地，月下酒徒同古今。
花緑柳紅催媚態，酒紅唇緑撫瑤琴。古来韻事無兵火，閨裡風流共暖衾。
七律・改過作新 東京都 石倉鮟鱇
天子未須鳴鳳捷，臥龍陋巷棄儒學。醉生改過讀經典，夢死作新眠墓穴。
冬去風柔雪融解，春来花綻景佳絶。酒酲醒處髑髏笑，仰賞山櫻隣月缺。
七律・捕風捉影 東京都 石倉鮟鱇
人到晩年情易沈，傾杯仍舊洗愁襟。酒郷常有桃源趣，夢枕將聽山水音。
春晝捕風花底醉，秋宵捉影月中吟。寒齋一睡蓬門雪，白首鼾眠彈玉琴。
七律・龜毛兎角 東京都 石倉鮟鱇
白頭醉夢跨東西，浮想堪耽隣午鶏。試以龜毛爲画筆，巧描兎角作霊犀。
長駆萬里穿塵界，久慕千秋戀鬼妻。醉写情書寄花貌，雪峰聳處喜山栖。
七絶・黄泉奔碧水 東京都 石倉鮟鱇
酣春江上落花多，希臘哲人張口説：萬物根源歸碧水，大家泉下溺盤渦。
七絶・奇想天外 東京都 石倉鮟鱇
頑童奇想傳天外，羽客喫驚落玉杯。時有詩人坐花底，光頭被雨醉春雷。
七絶・鬼面佛心 東京都 石倉鮟鱇
酒難排悶涙痕多，白首枕肱交夢魔。鬼面佛心憫老骨，自從天外落青娥。
七絶・風聲鶴唳 東京都 石倉鮟鱇
風聲十里驚山鬼，鶴唳三更殺酒徒。天帝哀憐散香雪，春埋枯骨忘江湖。
七絶・詩人化鳥逢仙女 東京都 石倉鮟鱇
鉄壁難攻守仙女，金城不落聳雲天。詩人化鳥飛千丈，如此夢逢花貌妍。
短詩
坤歌・一 首 東京都 田村星舟
海參蒙。背離神話，水桶中。
短歌與七言二句 東京都 田村星舟
月面の何処かで砂礫崩れしか居眠れる猫ふいに咳（しはぶ）く
月面何處砂礫崩，猫醒睡眠忽然咳。
漢俳・用四字成語作漢俳 東京都 石倉鮟鱇
安心立命： 泰平兵役閑。退伍安心傾緑酒，立命死青山。
一言半句： 才媛擅詩情。揮筆一言花鳥匯，半句鬼神驚。
異体同心： 夫婦忘悉皆。両人異体別天性，同心眠墓穴。
雨過天晴： 村長死春風。田園雨過洗塵垢，天晴聞鳥聲。
雨奇晴好： 読詩入香夢。江上雨奇煙霧遊，晴好琴詩興。
一望千里： 登樓人美醉。依欄一望化胡蝶，千里飛山水。
報仇雪恥： 年来詩債稠。白首報仇酬緑眼，雪恥醉紅樓。
抱殘守缺： 博士富仙才。老尚抱殘通過去，守缺輕未来。
悲天憫人： 詩客苦吟長。玉女悲天遣山鬼，憫人賣酒漿。
面從腹背： 酒店在桃源。玉女面從陪酒客，腹背弄花言。
山川覽勝
詩詞
七律・嚴 島 （于廣島） 東京都 田村星舟
天晴百里訪仙洲，客子凝瞳恣勝遊。社殿幽佳存海畔，鳥居優雅映潮流。
今時山色誘詩興，日夜濤聲新旅愁。誰言古來神宿島，涼雲四散鹿■■。
■＝口幼
五律・日限地蔵尊 神奈川県 高橋子沖
昨夜堅冰冷，今朝乱雪微。清香遊巷外，冷艷満春衣。
林影人難到，風声鳥自飛。僧房寛気象，尊像廻光輝。
（注) 地蔵尊是仏教大衆救済仏
七絶・日限地蔵尊 神奈川県 高橋子沖
野鳥飛交日限邨，春寒丘上地蔵尊。稀疎人影僧堂静，独佇思回霊気奔。
（注) 日限是横浜地名:
七律・臨川寺 東京都 池田耕堂
"上松"山里濺塵清，"寝覚之床"殊有情。
"地蔵"石仏臨澗谷，"弁天"祠宇傍池汀。
"乙姫"感謝封長歳，"浦島"背約忽老翁。
壮麗竜宮都夢否，誰知漁父作山行。
（注）上松；上松宿；史跡名勝天然記念物。臨川寺；在木曽郡上松町
臨川寺的逸話。是非常舊的時代的話。称"浦島太郎"漁夫在。他，走在海邉的時候，看了一頭的海亀，被孩子們抓住。他有悲惨感海亀，給予孩子們金銭，釈放海亀。海亀，"浦島太郎"非常感謝，"竜宮城"引導他。
"竜宮城"，大歓迎仁慈的"浦島太郎"。"浦島太郎"，数日間，承接款待，離開了"竜宮城"。
他離開"竜宮城"的時候，"竜宮城"的主人，"竜宮仙女"贈送了礼物給他。"竜宮的仙女"對"浦島太郎"，説了。"這個的箱子絶対要是開不能行！"
返回家的"浦島太郎"，忘記了被"竜宮的仙女"称爲的言詞。他開了箱子。從箱子，白的烟冒起。轉瞬間，"浦島太郎"変得了白髪的老人的身姿。
数日前，村民大家，是熟人，可是現在，作爲誰也，知道他的人不在。他，爲孤独苦悩，終于，只一个人深山逃避。他深山的谷河，享受釣魚。而且安静地過了。
他違背跟"竜宮的仙女"的約定開了，箱子其中，有"瓣才女神"的像。"浦島太郎"死之后，深山住的村民們，祭奠他的遺物的"瓣才女神"，建立了寺院。把那個寺院的名称爲"臨川寺"。
南九州旅情 東京都 池田耕堂
七律・霧島神社（鹿児島県姶良郡）
崇高境内自無塵，広大山林浄六根。本殿荘厳懐古意，霊峰峻秀動心魂。
"天孫"臨降創邦国，"毘売"婚姻産祖神。記紀是雖非事実，九州遺跡興方深。
（注）霊峰：高千穂峰。天孫：迩迩芸命。毘売：木花佐久夜毘売。
七古・知覧町（鹿児島県川辺郡）
整然茶畝接遠峰，"開聞"遥望軽靄中。灯篭街路続無限，武家集落存旧風。
"特攻会館"展飛機，隊員遺品情塞胸。願和殉義当敵艦，若人意気思不窮。
（注）開聞：開聞岳。特攻会館：特別攻撃隊平和会館。
七律・青島神社（宮崎県宮崎市）七律
白沙海岸媚清漣，青島悠然浮"浪岩"。幽暗緑林深静寂，崇高朱殿浄精妍。
失鉤"山幸"赴探索，迎"命""玉姫"為結縁。神話今猶存此地，南暄風物忘塵煩。
（注）浪岩：鬼の洗濯板。 山幸：火遠理命。豊玉姫。
七古・鵜戸神宮（宮崎県日南市） 換韻格
"日南"海岸燦陽光，"千畳"奇岩興未央。巌窟古堂為美景，断崖摂社恣明粧。
"天孫"伝説惹関心，鵜屋浪漫満情緒。吾国祖従何処来，神祇遺構宜温故。
七律・飫肥町（宮崎県日南市）
九州京洛在山間，暄暖藩都草木繁。中世攻防招混乱，昔時収束得平安。
"本丸"廃棄蒼林寂，城郭復元白壁鮮。封建遺風依約在，武家"屋敷"足遊観。
七律・長崎鼻（鹿児島県揖宿郡）
薩摩温暖夏林稠，臨海南端風景幽。秀嶺岩嶢片雲動，太洋縹渺釣舟浮。
断崖峻峭難登上，曲岸清閑足勝遊。甘藷伝来最初地，佳肴美酒忘千憂。
会員諸賢へ
私は和歌山県の 高橋藍川老師 と広島県の 太刀掛呂山老師
から漢詩詞創作の指導を受け、お二人の老師に促され、葛飾吟社を創設しました。その後、中国詩詞壇との連携を求め、北京の詩人
李芒老師
の知遇を得て、老師が老境に至まで、詩法と添削指導を受けました。その間にも、北京の
林岫女史
を初めとする、多くの中国詩人諸賢に、詩詞応酬に混えて添削指導を所望し、詩法と添削指導を受けました。
私の師は高橋藍川老師と太刀掛呂山老師と李芒老師と多くの中国詩人諸賢であります。葛飾吟社会員諸氏は高橋藍川老師と太刀掛呂山老師と李芒老師の三老師と、多くの中国詩人諸賢の直系の孫弟子に当たります。
私は先賢諸老師から受け継いだ漢詩詞知識を基として、多くの漢詩詞関連諸賢と交わりたい！言う希望を持っておりましたが、その能力の有無を自覚して居ります。
幸いにも葛飾吟社会員諸氏の才は多岐に亘り、多くの漢詩詞関連諸賢との交わりは、可能であります。
茲に私は、先賢諸老師から受け継いだ誠意と詩法を、会員諸氏が受け継いで、是を活用し行動に移して呉れることを希望します。
平成20年1月15日(火)
中山逍雀 頓首
追補：
私たちが中山先生から学んだ詩法は多岐に渡り、それを墨守していくだけでも大変ですが、ここに私たちが求められていることは、その墨守に留まらず更なる発展へと向かうことであると思えます。
そのためには、漢詩作りだけに専念するのがよいのではなく、会員がそれぞれに持つ活動分野と詩との交流を進めていくことが求められているようにも思えます。交流を図るべき分野では詩歌に俳句、短歌、現代詩があり、詩吟や詩舞があり、書があり、絵画があり、茶道や華道もその視野に入れて、漢詩作りに新しい息吹を吹き込み、また、漢詩の富をそれらの分野に吹き込むことを志していくべきと愚考します。中山先生からは、会員ひとりひとりがそれぞれに得意とする分野の長所を生かしていく、そういう自立を求められていると思います。頑張りましょう。 （鮟鱇記）
3月号
鳴鴻渡海
投稿詩詞－寄葛飾吟社顧問中山逍雀
詩詞
三日行注脚
北京 中華人民共和国外交部部長 李肇星
東京細雨后，大阪春可餐。京都唐茶濃，嵐山落櫻暖。
2007年4月13日傍晩陪温総理自周恩来1919年吟咏過的嵐山経一農戸去櫻花繽粉的立命館大学途中。
櫻花凄美
北京 中華人民共和国外交部部長 李肇星
冰凍三尺百日寒，櫻燃半月涼一年。
顔美命短心柔脆，好事多磨路修遠。
狂風漸遠蒼山在，驟雨洗禮坦途堅。
2007年4月12日東京―関西車上。櫻花日本國花，毎年開放一次，單朶花寿命七天，毎樹花期約半月，盛開時奔放，凋謝時凄美。日有成語：雨洗地更堅。
朱鷺比大使難找―東海儿歌
北京 中華人民共和国外交部部長 李肇星
朱鷺象征吉祥，可惜天下希少。中國也没很多，朱鷺比大使難找。
一派就是一双――特命全権重任：東海兩畔友好。
2007年4月11日温総理自爾飛抵東京，帯來了中国将應邀向日方派兩只朱鷺的好消息。朱鷺：世上奇鳥，目前中國有約一千只，日本只約有九十只。
編者注；漢語の「トキ zhu1 huan2」は日本漢字に有りませんので、日本漢字の朱鷺
zhu1 lu4 に置き換えてあります。依って原作と平仄が異なります。
消暑吟十絶句（抄） 湖南省益陽市 羅玉松
日倚吟庵酔夏醒，入眸風物亦清馨。多情最是資江水，総激青龍下洞庭。
砌草階花雨露承，水杉一列更青青。十年得灌瘋狂長，梢過高楼題八層。
問余何事叩心霊，朗朗書聲隔屋聴。昨夜夢醒仍恍惚，有人洛涌十三経。
蜿蜒戸外有長堤，保○防洪事事躋。五十六年功徳満，殷之水亦不流西。 ○＝土+完
也似城区也似郷，平疇東望稲花香。農民見面多歓喜，争説種田不納粮。
園林新辟傍宮墻，玉葉瓊枝盡○装。化雨春風催美景，花香陣陣伴書香。 ○＝青+見
一座囲城十里長，高墻深院對生光。更将鎖鑰衡門閂，元気沈沈内部臧。
聲聲貝葉入江風，陋室偏教近梵宮。清夢正甜新得句，寺僧初打五更鐘。
衰齢好静避塵囂，過眼雲烟但素描。無奈文場催稿急，権當詩料托洪喬。
赤焔焼天好亢陽，只因閼伯又當行。可能藤六乗時出，急遣甘霖下大荒。
沁園春 香港回帰十周年 湖南省益陽市 羅玉松
南国明珠，滌盡塵汚，光耀八○，籍一國兩制，和平過渡，港人治港，政給民安総結前因，拓開后果，祖国堅強作奥援，賢能継，把光榮任務，挑上双肩。 ○＝土+延
前瞻，美景無辺，況百尺竿頭天外天，看海疆錦亘 商船街接，空間遼闊，鐵馬聯翩，信息枢機，金融総匯，都與全球命脈連，自由港，必更加開放，利益均沾。
七言律詩 賀法國 薜理茂 湖北省石首 徐新州
天賜期頤燭影紅，称觴遙拜壽星翁。徳方兼備文縁好，福禄齋臻業積豊。
室有芝蘭娯晩景，人同翠柏煥春容。詩壇共慶千秋節，楚望山頭仰泰嵩。
熱烈慶祝中共十七大 湖北省石首 徐新州
與時倶進日，再樹里程碑。國冨休称覇，居安切思危。
民生需発展，科学快攀追。特色宏圖定，和諧展萬眉。
拜星月慢・賀嫦娥一號探月成功 湖北省石首 徐新州
美夢千秋，神州佳話，一號嫦娥実現。五大行程，振雄風無限。笑談處，切○、傳回宇宙消息，了却郷親懸念。叱咤風雲，令全球同羨。 ○＝目+分
問嫦娥，可会呉剛面？人間是、攬月春潮巻。意欲再深深空，已科研初奠。喜今朝、故国眉舒展。開新局、豈惧征途遠。待日后、往返星球，恰婆娑浪漫。
神州覧勝 七言絶句・雁城紀行 貴州省 萬裕屏
全国第21届中華詩詞研討会于20079/21-23日在衡陽市招開，余應遨赴会。期間研討、遊覧，以詩賦感。
南岳第一峰
南岳一峰大雁搏，寒來北往彩雲間。騒人墨客千秋贊，筆底之花分外妍。
南岳祝融峰
踏進天門不見山，重重雲霧葬群巒。香烟繚繞渾一色，不弁是雲還是烟。
磨鏡臺
以磚磨鏡志何堅，馬祖修行深法禅。六秩年前麾戦處，今升瑞靄繞暁天。
南岳大廟
衡山大廟納多元，仏道同存院壮観。異教尚能相睦處，凡人酷斗是何縁？
謝贈"恭賀新春"致 中山逍雀先生 湖南省安化 廖巨源
春意漸濃千葉發，迢迢萬里有知音。殷殷寄語金難換，心上琵琶手上琴。
読《茅屋爲秋風所破歌》寫意 湖南省安化 廖巨源
歳歉頻遭連夜雨，窮憂潦倒欲何之！秋風茅屋憂寒土，博愛仁心信是師。
注：余自益陽落魄歸田，窘困堪言状，常読社詩以自慰。
流浪吟 湖南省安化 廖巨源
文革后期，余浪迹江湖，毎読《夜月》，感慨系之，乃成此詩。
岳陽羈旅山河泣，料得○州月不明；忘却妻儿兼自我，雲鬢玉臂暁寒生。
雪梅香・思緒随雪飛舞 江蘇省泰州 陸長嘯
雪花舞，層楼獨立自仰蒼穹。起飛天情緒，凌雲劈馳龍。西域平観雪山脚，哈城府首白頭翁。宇天闊，萬岳身姿，千里松風。
横縦。看南国，壮麗西湖，古断橋東；處處銀装，攪天大雪埋蟲。山嶺馳舞歓暢，脂容呈瑞薀情濃。吟詩句，盡把和諧，吩咐春紅。
西江月・大雪吟 江蘇省泰州 陸長嘯
千嶺萬川璟浩，獨憐叢竹松貞，梅花素裏舞吟旌，都是迎春摯友。
戦勝低温氷雪，開懐飲食心評。中枢集会議民生，欲婦人問汚垢。
題敬亭山翠雲庵 安徽省 謝子言
痴情一片皇家女，万里波頭尋滴仙。尚若天公遂人愿，應無"獨坐敬亭山"。
注：傳唐玄宗皇帝之妹玉眞公主尋李白不遇，曾在此庵爲尼。
秋 韵 安徽省 謝子言
天高気爽露凝霜，楓葉流丹菊正芳。最是登高舒望眼，無邉秋色酔重陽。
西江月・宿州詩詞楹聯学会成立二十周年志慶
安徽省 謝子言
展視黄淮藝藪，宿州此日多嬌。詞林詩苑著風騒，顕現扶疏新貎。
筆点春山花雨，歌吟雅韵格彌高，時代強音索繞。
贊浦子・賀懐遠詩詞楹聯学会成立十周年
安徽省 謝子言
"詩國"尋芝草，年年采○忙。雅曲融新意，流霞燦錦章。楽賞芳榴吐艶，更欣白乳飄香。淮上風光美，"南音"動遠方。
注：懐遠素有"詩國"，"南音"之称。○；U647F
浣溪沙・蜂阜今昔 安徽省 謝子言
憶昔長年與世疏，孤村野店少人居。客商不顧路荒蕪。
百載滄桑生百変，名城崛起展宏圖。長淮輝燦一明珠。
和原題《望海潮》，酬日本詩友中山榮造先生
四川省 衡 平
東瀛海國，烟波浩渺，一衣帯水爲隣。言語可通，黄胱黒髪，天教同種同文。自古本相親。晁衡遣唐使，東渡鑑真。海不愕波，和平共處兩千春。
百年史鑒長温。應反思往昔，珍惜當今。民間修好，交流文化，幾多貞士仁人？感佩中山君。著創新詩論，恵我弥珍。日中和平永好，推動頼吾民！
短詩
試作日本詩歌，中山君創制《漢字文化圏通用詩歌》軆，
致日本詩人中山栄造先生 四川省 衡 平
曄歌・二 首
大寒節，恵明信片，心腸熱！
春節到，梅香櫻紅，新年好！
坤歌・二 首
雪封門，妻旅行去，悵單身。
遭雪災，菜飯断市，婿送來。
瀛歌・二 首
東瀛友，嚶鳴友聲。飛魚雁，倍感純誠。請訪鹽亭。
贊漢語，自學漢文。舶来品，視若家珍，筆下生春。
偲歌・二 首
常研漢学，兩著新書。松戸市里，一通儒。
日中友好，民間運行。水天相接，永和平。
閑雅逸俗
詩詞
七律・早春閑庭 神奈川県 萩原艸禾
南軒堪喜霽朝清，閑聞餌台啼鳥声。孤鴿頻来求粒米，双禽暫止啄花生。
蒼天垣下霜将薄，白首心中吟未成。小院幽居春二月，早梅三両暖風軽。
七律・徘徊河岸地 東京都 田村星舟
碧水長堤信歩彷，融融十里好烟光。陽風一過臨川處，烏鳥孤遊浄水場。
仰看蒼空雲静散，俯觀綠草土低香。於初萬物隨天意，心地常和春日塘。
七律・誕 辰 埼玉県 松本杏花
春光二月誕辰筵，歳歳微微赴黄泉。有客探梅黄鳥囀，詩思執筆緑窓鮮。
相談茗話共三昧，獨坐窗邉撫一絃。鶴髪欣欣身尚健，此生穏穏不計年。
七律・余 味 埼玉県 松本杏花
暖風村巷草初萌，茅舎竹籬對晩晴。終日無人餘閑有，枯腸任性紙田耕。
伽藍一杵斜陽月，闇夜雙鴉歸去聲。閉戸囲炉田舎味，挿花案句布衣情。
七律・雨奇晴好 進退韻 東京都 石倉鮟鱇
茅庵湖畔四時閑，春晝賞櫻堪尽歡。夏日雨奇烟緑水，秋天晴好近青山。
冬来詩思隣銀雪，筆走雲箋弄碧瀾。最好花朝氷已解，東風拂面燕回還。
七律・醉 夢 進退韻 東京都 石倉鮟鱇
月臨草舎散人棲，閑枕韵書浮想奇。笑把龜毛爲畫筆，試描兎角化靈犀。
游魂出口飛雲漢，誑語成章讚雪肌。夢對嫦娥傾玉盞，廣寒宮裡醉如泥。
七律・賞櫻花吟句 進退韻 東京都 石倉鮟鱇
雨散天晴風入衫，荊妻遊目笑容添。櫻雲盛涌飛香雪，湖水清盈泛錦帆。
養病二年身快癒，穿林一路氣森嚴。尋花韻事競求句，春晝題詩坐碧巖。
七律・山櫻花底游春夢 隔句對 東京都 石倉鮟鱇
人賞櫻雲悦目芳，有声回看馬頭娘。不期而遇詩魔笑，廉賣雲箋帶酒香。
欲醉將吟仙境好，頻傾玉盞擅春光。山中磨墨描黄鳥，振羽清鳴隣夕陽。
七律・春 吟 隔句對 東京都 石倉鮟鱇
古来韻事有盤餐，珍味佳肴滿眼看。晝冩花間數行句，探春弄筆詠天寛。
夜傾旅館千鍾酒，依舊游魂伴友歡。樗散高歌驚闇鳥，如鶯清哢月華闌。
七律・天理人情 東京都 石倉鮟鱇
凡士張三學韻事，菲才李四受東風。人隨天理賞千紫，天逆人情散萬紅。
覓句隨時伴壺酒，惜春到處競神工。古來醉境多浮譽，詩客花錢朱臉雄。
七律・張三李四 東京都 石倉鮟鱇
東風吹處櫻雲涌，山月輝時壺酒醇。有事勲功招戰火，非時韵事緩心身。
張三柳巷學詩句，李四花街尋玉人。如此佳吟遍天地，千紅萬紫滿酣春。
七律・珍味佳肴 東京都 石倉鮟鱇
老骨偸生持健康，午眠蝶夢舞仙郷。古今珍味隣春月，山海佳肴伴酒香。
醉對青娥通韵事，笑陪白首擅霞觴。共乗酣興唇宜蕩，吟唱高歌詩擬唐。
七律・陶犬瓦鷄 東京都 石倉鮟鱇
人傾美禄洗塵埃，風入幽庭窗戸開。陶犬吠時詩客醉，瓦鷄鳴處夢魔来。
濃点華粧坐花底，擅彈錦瑟響瑤台。游魂韵事斟千斗，不醒清晨死冷齋。
五律・春日閑居 山口県 藤井登龍
村舎無人訪，梅花競艶姿。番番閑坐趣，睆睆壁間詩。
老叟翰墨縁，寒厨袷衣時。仰天安穏否，拈句月輪移。
五律・初春嫩芽 埼玉県 芋川冬扇
雪解春囘早，毎天暖気生。雲中鳩有語，洞裏燕無聲。
緑煙貧猶醉，黄昏老亦耕，門外花落否，嫩芽豈足驚。
五律・春弄遊 埼玉県 芋川冬扇
庭前花始発，淡日喚來鳩。雪解生光彩，寒軽試勝遊。
恣情頻作句，遣興暗生愁。偶到旗亭下，黄昏暮雲稠。
五律・梅 埼玉県 松本杏花
馥郁星星影，魁春品格宜。安石看世変，亜相賦別離。
朽樹添幽興，嫩苔満古枝。窓前香脈脈，我愛黄鳥馳。
（注）安石；王安石 政治家。唐宋八家文の一人で文章家。
亜相；大納言菅原道真
（参考）梅花 王安石
牆角数枝梅，凌寒独自開。遙知不是雪，為有暗香来。
五律・春 東京都 石倉鮟鱇
風柔春靄靄，好景画難成。澗底無人訪，山花映水明。
黄鶯声緩渡，白首酒閑傾。獨飲不逾矩，放心吟骨輕。
五律・春 東京都 石倉鮟鱇
荊妻覓俳句，韵事有朋儔。携手依吟杖，隨風樂勝遊。
黄鶯囀山麓，白首傍春流。老嫗揮才筆，我吟詩可酬。
五律・看梅求句 東京都 石倉鮟鱇
野店沽村酒，堪斟盈玉卮。梅林香脈脈，春晝日遲遲。
塵境追声譽，晩年求野詩。無功延壽叟，游目苦吟時。
七絶・問殘梅 山口県 藤井登龍
飄葩滿地見殘春，累日澆花惜作塵。乗輦東皇城跡寂，傷心難堪泣詩人。
七絶・訪詩盟苑 山口県 藤井登龍
滿地韶光芳草生，渡川過野訪鴎盟。詩談哄笑歓無窮，合志同心陽已傾。
七絶・雪中即事 東京都 田村星舟
雪降邑閭一望新，四圍凛冽又無塵。村童喜喜驅銀界，已看早梅暗動春。
七絶・春日偶成 東京都 田村星舟
季換星移不少留，梅花早早滿林丘。坐聽啼鳥浮生外，風物夭夭心自幽。
又
楊柳絲絲明媚景，池風習習艶陽邊。徘徊小徑聽禽語，還看翩翩雙蝶娟。
七絶・観音崎偶感 神奈川県 高橋子沖
浦賀海流光静波，鴎飛洋上聴漁歌。百年歳月光陰早，独佇夕陽愁緒多。
七絶・遊由布院亀之井別荘 冨樫美代子
夜半歓声幽興長，清清湧水解羈装。流螢明滅別荘畔，家属携来由布郷。
五絶・枕邉箏 埼玉県 松本杏花
深更簷滴聲，蕭蕭枕邉箏。追懐浮世事，朝來雪満城。
五絶・寒中念経 埼玉県 芋川冬扇
端坐杖郷年，念経共一天。寒虫輪転歩，鎮静過膝前。
五絶・雪中作 埼玉県 芋川冬扇
寒空三尺雪，俗耳四無声。月落孤懐寂，推窗雙樹生。
五絶・送 春 埼玉県 芋川冬扇
影緑春将尽，閑階一陣風。残紅迷処処，失路百花中。
五絶・参拝"久能山東照宮" 埼玉県 芋川冬扇
東風吹緑草，参拝魄家康。借問天下計，相同愛馬霊。
飛雪滿群山・賞櫻雲吟句 東京都 石倉鮟鱇
人入櫻雲，風飛香雪，如蝶飄舞晴天。白頭傾酒，黄鶯振羽，鼓舌清囀花間。探春乘興處，有朱臉、將吟聳肩。擬唐求句，磨墨揮毫，押韻染紅箋。
山欲暮、成詩言遠志，正大鵬張翼，萬里圖南。驚聽失笑，回看玉貌，千嬌百媚嬋娟。繆斯誇口業，評拙作、堪憐老殘。無端夢醒，風寒月下思愕然。
惜黄花慢・四時吟
東京都 石倉鮟鱇
老骨歸山，擅四時覓句，三界承歡。春游花底，櫻雲涌處，抱壺飲酒，信口披肝。笑聽鶯語堪酬和，探風韵、高聳吟肩。愛暮烟，枕肱閉目，露宿風餐。
山湖夏日天寛，促泛舟避暑，埀釣投竿。看過魚影，試揮短筆，常求雅韵，漂蕩龍淵。素秋戀慕嫦娥艷，坐蛩雨、想到黄泉。欲醉眠，季冬一盞凌寒。
短詩
曄歌・一 首
山口県 藤井登龍
看花遊，天地清明，忘千憂。
曄歌・小寒 二 首 千葉県 田 旭翠
雪満山，朔風凛冽，雲巻山。
氷如刀，日力辞労，世外逃。
曄歌・大寒 二 首 千葉県 田 旭翠
捨詩魂。囲炉開尊，煮河豚。
雪苦身，梅蕾夢春，耐寒晨。
曄歌・立春 二 首 千葉県 田 旭翠
雪侵旬。暄気逡巡，暦上春。
市隠梅。玉蕾未開，薀珠胎。
曄歌・二 首 東京都 田村星舟
中宮寺。鮮黄重疊，棣棠花。 山吹の響動めく黄や中宮寺
花綻時。終研印刀，表裏宜。 うらおもて印刀を研ぐ春日中
曄歌・二 首 東京都 石塚梨雲
梅報春。天公一笑，遇佳人。
画筆知。濃春煙景、促馳思。
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曄歌・二 首 埼玉県 塚越杉水
一株霞。有耶無耶，探梅花。
小書楼，汗牛充棟，春郊丘。
曄歌・雪天 四首 埼玉県 松本杏花
眼界清。春光十里，雪全晴。
雪未晴。疎枝小院，暮寒生。
春信遅。今宵屈指，寸心知。
梅一枝。耽吟即興，得新詩。
漢俳・一 首 埼玉県 塚越杉水
庭陰緑已新。寒風未止求温酒，梅花僅一輪。
漢俳・一 首 東京都 石塚梨雲
梅知日午天。看得横枝破芳蕾、詩筆入新篇。
俳句與漢俳・二 首 埼玉県 松本杏花
探梅や塒に歸る鴉どち
村巷訪梅花。嗅香踏影風駘蕩，鐘聲噪暮鴉。
盆梅を愛ずる尽日料峭や
尽日盆梅愛，燈頭啜茗静如禅。柴門料峭天。
愛慕情絲
詩詞
七絶和短歌・相模黄昏 神奈川県 高橋子沖
相国水辺千鳥鳴，夕陽西嶺採雲盈。西窓寂寞向誰語，旅路愛人無限情。
さねさし相模の野辺に千鳥鳴く夕陽は侘し夫は外つ国
七絶和短歌・宮前回憶 神奈川県 高橋子沖
鎌倉山嶺老松繁，二月風音鳥雀喧。独佇宮前生暖気，契盟千代慕情清。
星月夜鎌倉宮の風の音千古変わらじ誓いし言も
七律・池魚籠鳥 東京都 石倉鮟鱇
毒婦破家無後悔，良妻持重暗清眸。雪窗傾酒消心火，螢机題詩泣夜愁。
身似池魚戀銀月，声如籠鳥囀金秋。思君萬里勤商賈，忘我傷魂憶舊遊。
七律・飛蛾投火 東京都 石倉鮟鱇
春霜不解兩鬢秋，白頭回憶少年遊。花街風暖穿清晝，柳巷月明浮碧流。
吟叟游魂逢翠黛，飛蛾投火上紅樓。傾杯寸刻輕錢袋，又悔愚行死不休。
七律・春 夢 東京都 石倉鮟鱇
白頭畫了素梅枝，欲解晩愁傾酒卮。酣醉茅齋枕猿臂，幸逢才媛擅瓊姿。
花言出口誑田叟，宴語成章得野詩。乘興心心自相印，共臨偕老同穴時。
七律・春 夢 東京都 石倉鮟鱇
無人妨我夢銀河，春航萬里伴青娥。輕舟破浪如星散，美酒盈杯延壽多。
白首放吟佯羽客，朱唇淺醉作詩魔。晨鶏啼斷山翁醒，看到雲箋字化蛇。
七律・春 夢 東京都 石倉鮟鱇
醉枕長肱午睡閑，夢游春晝坐花間。埀涎三尺看天女，傾盞千鍾破酒顔。
勘案華辞稱麗質，吟爲鳴鳳繞雲鬟。玉容艷語招仙洞，笑褪羽衣妨我還。
短詩
曄歌・二 首 埼玉県 塚越杉水
春色宜。解語之花，淡掃眉。
鏡裏春。二八二九，不染塵。
坤歌・一 首 山口県 藤井登龍
睡難成，昨昔追懐，夜堂清。
偲歌・一 首 山口県 藤井登龍
遙憶他郷，曾遊乗興，托酒追懐，故園情。
偲歌・六 首 東京都 石倉鮟鱇
大失所望，變幻無常。美人心理，似羊腸。
逢君已醉，插翅難飛。携手登樓，共忘歸。
餐風露宿，北里南柯。山鬼艷妝，爲翠娥。
殘杯冷炙，頭痛酒酲。夢中難得，趁花精。
一笑伸眉，百川歸海。情死與君，無悔改。
百花齊放，八面玲瓏。蝶夢易迷，乘軟風。
親朋純情
詩詞
七律・敬礼恩師之墓門 埼玉県 塚越杉水
師赴泉途過四年，吾懐旧恩哭霊前。桃桜僅白馨南面，松柏常青繁北辺。
昼間烈風亂黄土，黄昏細雨潤紅塵。敬礼念仏只供酒，爰復招魂贈誄篇。
七絶・贈百十六期畢業生 埼玉県 塚越杉水
学業修成路自分，丘陵花下望青雲。勿忘漢籍猶無尽，班馬孟荘韓柳文。
七律・鷄群一鶴 東京都 石倉鮟鱇
鴻翼南行無盛譽，秀才北走作閑官。時遊廟会逢知友，醉對村民憐老殘。
邊境三秋有邊月，鷄群一鶴羨鷄冠。親朋勸我題新賦，仍舊吟詩披肺肝。
短詩
曄歌・二 首 埼玉県 塚越杉水
暖風軽。鴛鴦之契，共吟行。
新鶯歌。益者三友，詩才多。
瀛歌・一 首 山口県 藤井登龍
喚君名，時憶異郷，獨悲情，故舊難忘，竹馬無翰。
社会生活・時事風刺
詩詞
七絶・無 題 千葉県 橋本新歌
忠臣苦言諫少君，携子請安孝双親。寸草知恩三春暖，可憐天下父母心。
（注）請安：目の上の方に挨拶すること
七律・酒池肉林 東京都 石倉鮟鱇
剪屠牛馬養身心，人似豺狼迷肉林。猶有酒池堪痛飲，好隣厠所促高吟。
風流有罪貪珍味，韻事無功尚古音。怪鳥高歌鬼神泣，詩箋鳳字嘆光陰。
七律・張三李四 東京都 石倉鮟鱇
東風吹處櫻雲涌，山月輝時壺酒醇。有事勲功招戰火，非時韵事緩心身。
張三柳巷學詩句，李四花街尋玉人。如此佳吟遍天地，千紅萬紫滿酣春。
七律・忠肝義胆 東京都 石倉鮟鱇
白頭探勝伴詩魂，千里鶯啼戦跡春。老骨隨時旅遊興，荒原到處血河痕。
忠肝宜奮揮狂刃，義胆不教殺外人。此有禿毫連鳳字，傷魂蓋世立山村。
七律・鉄意石心 東京都 石倉鮟鱇
未排憂悶坐寒天，醉仰嫦娥恨左遷。白首官途終到北，赤誠鴻翼尚圖南。
臥薪鉄意粉身老，嘗胆石心碎骨堅。如此殘魂凍結處，但聽湖上雁声酸。
七律・骸骨盗霊魂 東京都 石倉鮟鱇
天生骸骨盗霊魂，欲作英才勤子民。冬夜雪窗繙萬巻，夏天螢案尚三辰。
長懷鴻志勤兵庫，老上禁城爲將軍。回憶生涯無戰火，髑髏頭頂負暄春。
五律・偶 成 東京都 石倉鮟鱇
金樽尽村酒，白首憶因縁。出口忠言諫，成章義憤連。
官途及萬里，鵬翼到天邊。有恨難排悶，試吟詩一篇。
短詩
坤歌・一 首 埼玉県 松本杏花
太平民，愚巧克力，給情人。
坤歌・二 首 埼玉県 芋川冬扇
強用具。収集日毎，徒辛苦。
老人公。囲碁競合，小児童。
短歌與七言三句 東京都 田村星舟
手に凝（こご）る一羽の骸あかつきの土よりも死は斯く冷たきと
掌中鳥骸疎籬外，黎明於土死冷嚴。
安全といくたび聞きし 吹きつくる雨に原子炉建屋濡れてゐる
原子爐棟風雨裏，肅肅吾聽説安全。
感懐の湧くとなけれど原子炉の真上なる床わが踏みしむる
參観所内而無想，吾踏原子爐上牀。
漢俳・社鼠城狐 東京都 石倉鮟鱇
天魔賣酒卮。國傾社鼠成千處，城狐上萬時。
山川覽勝
詩詞
木曽路旅情・名城城址 東京都 池田耕堂
七律・徳音寺 （長野県木曽郡木曽町日義）
木曽街道傍幽渓，今尚宿場含旧姿。"義仲"挙兵空殉節，"巴前"共鬪靜眠斯。
嬌紅蓋路春林好，新緑充山夏色奇。墓所寂然催感慨，晩鐘遥響容易愁悽。
（注）義仲；木曽義仲。巴前；巴御前。
七律・木曽福島宿 （長野県木曽郡木曽町福島）
宿場近世極繁昌，関所厳然興自長。"名刹"石庭枯水木，垂枝桜樹弄風光。
"山村"公館正思塞，"義仲"霊場空断腸。時代推移還一夢，現今遊子往来忙。
（注）名刹；木曽三大名刹興禅寺。山村；代官山村氏。
七律・稲付城址 （東京都北区赤羽）
"両城"連結要衝中，"道灌"山頭築堡営。高樹森羅為景勝，断崖囲繞構堅城。
"乱余"険塞終軍務，往古廃墟創"梵宮"。名将最後真痛恨，陽春花発思無窮。
（注）両城；江戸城、岩槻城。道灌；大田道灌。梵宮；静勝寺。
七律・練馬城址（豊島城） （東京都練馬区向山）
"向山"一帯緑林滋，"川畔"風情亦太奇。中世辺城作花苑，昔時望櫓化叢祠。
酣春桜樹真優美，梅夏紫陽殊艶姿。欣喜童児戯遊具，惜令旧址少人知。
七律・平山城址 （八王子市城之内）
満目丘陵緑樹稠，聞鶯城址興偏幽。"季重"祠所欣清掃，"宗印"墓場忘杞憂。
城主先駆戦功挙，"平家"追討勇名留。春来桜影裝山上，夏至杜花招勝遊。
（注）季重；平山季重。宗印；宗印禅師。
七律・貞山堀 千葉県 今田莵庵
貞山堀在仙台市若林区。対大都市開発画一線。自耕自漁送一年。荒浜一村専称佐藤氏、団結頗強固。
貞山水路在長浜，米穀輸船声曾頻。春雨漁場投罟網，夏雲烈日曝肌身。
秋風金稲盈盈熟，冬海紫菜郁郁純。夭少流灯離手刻，緑陰闇夕祖霊親。
七律・初春越中紀行二首 千葉県 田 旭翠
其一 浅酌亦快哉
嶺東詞客促春来，越北親朋雅宴催。案上芳醪三嘆酌，鼎中鳧肉八珍開。
何縁爾汝無官楽，不説功名亦快哉。買酔風流天所許，朱顔自喜共傾杯。
其二 宿秘境五箇山
昔日険途疑去路，今時遠客見仙郷。桃源有備鶏豚足，福地無憂村醸香。
顛沛用心何独歩，良図活計共商量。囲炉対酌人皆酔，高唱古謡興自長。
（注） 越中"五箇山"，崎嶇絶境稀人跡。今尚存古来自給自足風俗。
今伝古謡"筑子(kokiriko)"日本著名民謡也。近年登録｢世界遺産｣，
交通日趨便利。冬季積雪丈余，通隧道汽車暢行、遊客不絶。
五律・陝西銅川度２００８年春節詩以紀之 千葉県 陳 興
山原還積雪，鞭炮起黄昏。万戸将守夜，千枝猶待春。
煙花天際放，水餃屋中温。談笑囲卓坐，堪憐未返人。
七絶・従銅川往福州途経襄樊有題
千葉県 陳 興
朝別銅川同老婆，飛機秦嶺俯看過。襄樊小憩取紙筆，回想銅川留恋多。
七絶・丹頂鶴 千葉県 清水蕗山
神鶴飛来立雪烟, 娑婆優雅自嬋妍。高姿極処在丹頂, ○△一声号白筵。 ○＝瞭-目+口；△＝情-青＋戻
七絶・走水神社偲弟橘媛 神奈川県 高橋子沖
海浜走水洗塵煩，山麓社祠杉樹昏。神話悲凉催感涙，花顔逝水万年尊。
寓意偶題
詩詞
七律・電影「北辰斜射処」所感 千葉県 今田莵庵
戦前日本有旧制高等学校。是即大学教育予備部門也。戦後日本教育制度被急変革，旧制高校廃止既半世紀余経過。今般名優三國連太郎主演電影「北辰斜射処」完成到被上映。「北辰斜射処」是第七高等学校寮歌也。第七高等学校曾在鹿児島。学生謳歌青春頗激烈。
新春電影誘人潭，埋席亀齢夫婦湛。薩国温暖窓向北，北辰斜射処瀕南。
老紳回首年軽昔,
孫児追随玄妙男。温故知新新学制，翁伝祖訓老猶担。
七律・加拉○戈斯島之今日 千葉県 今田莵庵
物種起源生舶覊，島名加拉○戈斯。異風鳥獣皆新種，孤島自然是数奇。
今日観光迎客夥，散乱塑料害浜悲。全球遺産離文化，達尓文魂恐抱疑。
（注）加拉○戈斯島；Galapagos Islands。達尓文；Charles Darwin
物種起源；種の起源
七律・輪島漆器二題 千葉県 今田莵庵
一
琵琶湖熊鼠滅泯，従細毛入手困難，遂細筆生産到不能。而輪島漆芸瀕危殆。
熊鼠多遊蘆荻浜，細毛作筆緻精臻。当今湖水忙開発，小態獣魚忽滅泯。
輪島漆工雖欲覓，京都筆職不能遵。華南在商生生鼠，安可長毛向筆匀？
二
欧州王族漆工芸品蒐集膨大也。是通江戸時代自長崎以蘭船到欧州各国。
今日更谷富造氏独受此漆器修理依頼于欧州各地。（隔句対）
欧州城郭室豪奢，王族争蒐家宝誇。中国陶磁青似玉，紅毛模造業新加。
扶桑漆芸朱如蟹，碧眼讃歎性覚差。文物何多要修復，孤軍奮闘漆工嗟。
七律・詩 魔 東京都 石倉鮟鱇
天生骸骨穿靈肉，人點華妝描畫皮。春晝花間收衆目，秋宵月下露氷肌。
繆斯如此誑田叟，禿筆走箋無馬蹄。莫嘆酒郷多妄想，原来詩境近神奇。
七律・詩 譽 東京都 石倉鮟鱇
蓋棺誰定我詩名，更要騷人百歳評。愚叟聳肩誇口業，賢妻陪酒喜春情。
紅雲滿目飛香雪，黄鳥鼓喉啼古城。更有花容侑觴問，何求後世筆功成？
七律・詩人如餓鬼 東京都 石倉鮟鱇
騷客驕盈老境極，正如餓鬼餮無敵。午餐含笑吃牛肉，鑒賞插花似首級。
夜宴飛觴擅雲液，夢逢玉女感風笛。詩魔涕涙嘆神死，斯界已難醫暗疾。
七律・二川白道 東京都 石倉鮟鱇
老骨塵寰持健康，未得頓悟對夕陽。二川白道通無欲，三界金樽隣酒觴。
首鼠両端迷美味，中人百歳慕華粧。不知情火何時滅，笑上紅樓頭髪黄。
七律・天人指正拙句 東京都 石倉鮟鱇
騷客酒迷多筆禍，陳詞黴爛損文才。繆斯憐此抱琴伴，山鬼撒花隨分来。
東看櫻雲映春水，西聽鶯語囀瑤台。天人指正吟翁句，化鳳乘風鳴善哉。
七律・沈魚落雁 東京都 石倉鮟鱇
白頭醉欲作詩豪，枕臂夢逢仙女妖。玉貌沈魚擅春晝，臉波落雁過秋宵。
言如黄鳥啼花底，招引紅閨散羽毛。緩帶脱衣耽韵事，醒来午睡仰虹橋。
七律・偶 成 東京都 石倉鮟鱇
玄牝發烟生幻想，白頭傾酒枕詩書。霊魂食肉介顔甲，骸骨成人渡世途。
一瞬隙駒馳好夢，百年鴻志作迂儒。醒来仰看天花板，春曉芒洋猶忘吾。
七律・讀書尚友 東京都 石倉鮟鱇
少年鵬翼受春風，識字修文山麓東。螢案讀書通異曲，雪窗尚友憶同工。
人知天理輕人道，酒促詩情依酒功。学舎十年無韵事，江樓三盞對花容。
七律・鏡花風月 東京都 石倉鮟鱇
未排声病詩難就，人坐寒齋失意多。才短光頭養沈痼，酒催浮幻涌旋渦。
鏡花花底舞山鬼，風月月中棲夢魔。看到頸聯同字弊，仰天獨嘆對嫦娥。
七律・醉夢八仙過海 東京都 石倉鮟鱇
賞櫻花底坐江東，獨把金杯問碧翁。三界有情催韻事，千秋覓句奪天工？
八仙過海留逋債，萬里破濤乗順風。詩思古来生夢想，吟肩聳處夕陽紅。
七律・流血淋漓 東京都 石倉鮟鱇
山麓櫻林棲夢魔，誑人戰迹試吟哦。有声寂寞多声病，流血淋漓爲血河。
一將成功埋槁骨，千秋仍舊仰嫦娥。遊魂原野交狐狸，露宿風餐風味多。
七律・垂涎三尺 東京都 石倉鮟鱇
窗外雪晴横絳河，寒齋禿叟枕肱過。垂涎三尺遊香夢、傾酒千鍾催醉歌。
山涌櫻雲映湖水，人耽韻事伴詩魔。花容虚左陪樗散，尽日揺唇得句多。
七律・醉歩蹣跚 東京都 石倉鮟鱇
花影如雲浮墨水，詩翁翻袖倚江樓。翠娥侑酒流春景，白首傾杯洗暮愁。
醉歩蹣跚踏朧月，低吟磊落似鳴牛。櫻紅十里長堤夜，暫忘荊妻京邑遊。
七律・海誓山盟 東京都 石倉鮟鱇
追憶生涯少声譽，淺斟雲液賞梅枝。官途向北窮邊境，鴻志圖南迷酒卮。
海誓回山歸正句，山盟倒海改邪詩。但思老境殘余命，看仰月輪將欠時。
七律・風流有罪 東京都 石倉鮟鱇
春晝山河鶯語滑，天生芳草在蕪雜。玉人靈巧剪花朶，繊手把之瓶裡插。
詩客偶思題義戰，強兵揮劍月中殺。首級青血流泉下，千紫萬紅墳地發。
七律・走馬看花 東京都 石倉鮟鱇
山涌櫻雲飛雪頻，大都才媛擅酣春。生龍活虎求俳句，走馬看花追鬼神。
想起龜毛作詩筆，又得兎角化麒麟。佳吟難解誑師父，野店醉掻頭髪銀。
七律・縱虎歸山 東京都 石倉鮟鱇
物換星移留老人，群情滅裂坐酣春。臥龍沈水貪香夢，縱虎歸山驚谷神。
時有詩魔聽好句，喜陪酒客擅吟魂。彈琴唱和櫻花底，玉貌野狐翻舞裙。
七律・春夢天人暫雙翔 東京都 石倉鮟鱇
白頭鼾睡酒香濃，夢對天人醉眼紅。十指連心震春夜，百川会海慕花容。
吟情横溢押清韵，活句縱淫飛碧空。千載相思擅迎意，雙翔將越雪山峰。