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話題21 | ■添削について 中山逍雀 2007/1/14(日)08:52返事 / 削除

 小生が予て、「詩詞は、十歳童子の作品も九十歳古老の作品も、同じ俎上で評価する事が出来る」と言った様に、作品の上手下手の殆どは、作品に籠められた作者の思いに依るのです。
 文字遣いだけで作品の巧拙が決まるのでしたら、小学生が九十歳の古老に敵う訳がありません。小学生には小学生の人生観があり価値観があるのです。この点は年齢によって優劣がないのです。ですから、如何に文字遣いに精力を注ぎ熟達したとしても、心の思いが希薄では小学生に負けてしまうのです。
 小生は作者に対し、心情を喚起するように筆を入れ、構造を会得する為にその都度詩法を換えています。語彙のあれこれには余り注意を注いではいません。
 ですから添削済みを受け取ったら、作品の柱となる心情の在処を読み取り、これを顕在化させる為に、どの様な詩法を用いているかを探り当て、その構成法を会得する事です。
 小生の添削は、ただ一例を示すものですから、ご自分の心情と照らし合わせ、必ず再度筆を入れる作業をして下さい。ただ清書して綴じ込んで仕舞うのでは、筆を入れた小生の勞も酬いられません。先ずは、添削者の欠点を探し、疎漏を捜す事が上達の第一歩となります。
 漢詩詞は、眼に映った物事を小気味よい句に仕立てても作品には成りません。自分の漲る思いを、景物や感情の描写を借りて表すのです。ですから、景物や感情の描写は己の人生観を顕在化させる為の道具立てに過ぎないのです。この関係をよくご理解下さい。
  平成15年7月16日
                    後学 中山逍雀

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